1994 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌におけるカドヘリン、インテグリンファミリーの発現および悪性度との関係
Project/Area Number |
06771385
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 守 東北大学, 医学部, 助手 (10206534)
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Keywords | 頭頚部癌 / カドヘリン / インテグリン |
Research Abstract |
Eカドヘリン、インテグリンα_3、α_5、α_6、β_1、β_2について頭頚部癌未治療時の原発巣における発現を免疫組織学的に検討し、これらの発現と悪性度との関係をみた。悪性度については原発巣の大きさ、所属リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無、病理学的浸潤形態、核分裂像について相関をみた。 Eカドヘリンは正常咽頭上皮細胞の細胞間に染色がみられ、顆粒層、有棘層で染色が強かった。癌組織においては癌細胞間に染色がみられたが、染色がみられない部分が症例により認められた。癌胞巣部全体の半分以上で染色がみられない例でリンパ節転移が多い傾向が認められたが有意ではなかった。また他の悪性度因子とは明らかな相関はなかった。 インテグリンα_6は正常咽頭上皮基底膜部分に一致した連続性の染色がみられた。癌組織では癌胞巣周囲に染色がみられる例が多かった。癌胞巣周囲の発現の低下、消失している例でリンパ節転移が有意に多かった。他の悪性度因子との明らかな相関はなかった。またα_6のリガンドであるラミニンの発現との相関も認められなかった。インテグリンα_3、α_5は正常咽頭上皮細胞膜に連続性に発現がみられた。癌組織については癌細胞膜に発現がみられたが、部分的に消失・発現低下している例が多かった。発現の低下している例でリンパ節転移が多い傾向がみられたが有意ではなかった。インテグリンβ_1、β_2は全症例で細胞間、細胞周囲に染色され、症例による差は少なかった。 以上よりEカドヘリンとインテグリンα_6はリンパ節転移の予測に有効であると考えられた。
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