1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口蓋扁桃機能における細胞接着分子の役割に関する研究
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06771425
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大黒 慎二 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40253992)
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Keywords | 口蓋扁桃 / 細胞接着因子 / 細胞外マトリクス / リンパ上皮共生部位 / サイトカイン |
Research Abstract |
口蓋扁桃は,気道と消化管の入口部に位置しており,外来抗原に対しての局所防御を行うとともに,その情報を全身に伝えるという重要な役割を果たしていると考えられている。 今までの研究で我々は,おもにヒト口蓋扁桃における細胞接着因子の役割として,リンパ球上に発現される受容体とそのリガンドである細胞外マトリクスとの関わりから,これらの因子がリンパ球の活性化や分化に影響を与えていることを見いだすとともに年齢により接着受容体の数が増加することがわかった.次に扁桃の中でも上皮部分に着目すると,中でも外来抗原に対しての第一番目の反応を行っていると考えられているリンパ上皮共生部位では,浸潤したリンパ球のみならず,上皮にも各種の接着因子が発現されていた. さらに上皮とリンパ球との関わりを知るために,最近注目されている上皮系細胞の免疫組織としての役割について検討した.上皮も培養上清中に含まれる各種サイトカインをELISA法を用いて測定したところIL-1α,IL-6,IL-8,TNF-αの存在が証明され,これらの炎症性のサイトカインが口蓋扁桃での局所免疫に関与していることが推定された.これについては第7回日本口腔・咽頭科学会において発表した.今後,上皮とリンパ球の混合培養を行いそれによって生じるリンパ球の活性化や分化,,またPCR法を用いることにより上皮細胞での各種サイトカインの存在の証明を検索していく予定である.
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Research Products
(1 results)