1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771461
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 成樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30225940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 昭司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00257396)
加藤 功 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90018375)
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Keywords | 視運動体眼振 / 頚筋 / ネコ |
Research Abstract |
今年度の研究の目的は、視運動性眼振(optokinetic nystagmus;OKN)の視覚情報が直接頚筋の活動性に関与するかどうかということであった。ネコでは視運動性刺激(optokinetic stimulation;OKS)を与えた時に誘発されるOKNの急速相の向かう側の頚筋の筋電図活動が増加することがWilsonらにより確かめられている。そこで我々はまずネコにOKSを与え、頚筋のうち胸鎖乳突筋で筋電図活動を記録した。その結果、Wilsonらが報告したようにOKN急速相の向かう側の胸鎖乳突筋の活動は増加した。次に、この頚筋の活動性の増加はOKNの眼球運動に伴うものなのか、あるいはOKNを駆動するといわれる網膜上の視覚情報のずれ、すなわちretinal slipによるものなのかということを確かめる実験を行った。ケタラール、ハロタンを用いた全身麻酔下で頭部を固定し、筋弛緩剤で不動化し人工呼吸を行った。この不動化によりOKSを与えてもOKNは発生せず純粋なretinal slipが生ずる。頚筋の筋電図活動も不動化により失われているので、頚筋を支配する頚髄の運動ニューロン細胞で記録した。記録部位は胸鎖乳突筋に分布する運動神経を逆行性に電気刺激し同定した。運動ニューロンのスパイク数がOKSに対して変化するかどうか調べているが今のところ増加する結果は得ていない。麻酔深度の影響を考慮しハロタン以外の麻酔を試行したり、ネコを不動化せず眼球運動を発生させた時のスパイク数変化を、現在調べている。
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