1994 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚発生過程における神経堤細胞の出現機構の解析
Project/Area Number |
06771576
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井関 祥子 徳島大学, 歯学部, 助手 (80251544)
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Keywords | 神経堤細胞 / transformation / マウス胚 / in situ hybridization |
Research Abstract |
神経堤細胞のtransformationおよび移動の両現象が起きている胎齢8〜9日のマウス胚約80体よりtotal RNAを抽出し、oligo(dT)セルロースカラムにてpoly(A)^+RNAを約5μg精製した。transforming growth factor-β(TGF-β)スーパーファミリー間でアミノ酸配列の相同性が高いC末端領域中の150base pair(bp)を増幅するような混合プライマーを作製し、上記mRNAに対してReverse Transcriptase-Polymerase Chain Reaction(RT-PCR)を行ったところ、約150bpの断片が増幅されてきた。よってこの断片を電気泳動により分離して回収し、ベクターに組み込んだ後に増幅されてきた断片のシークエンスを行った。シークエンスの結果、Bone Morphogenetic Protein(BMP)-2,BMP-4およびBMP-7が検出された。これらはいずれも既知の遺伝子であり、TGF-βスーパーファミリーに属する新規の遺伝子は検出されなかった。胎齢8〜9日胚に発現が確認されたBMP-4をすでに報告されている塩基配列よりプライマーを作製してPCRにてより長いcDNA断片を増幅させ、ベクターに組み込んだのちにリボプローブ作製し、whole mount in situ hybridizationを行った。BMP-4は、胎齢8.5日では、最後部体節より後方の中胚葉領域に観察された。また、胎齢9日では、成長してきた前肢芽の前部および後部に発現していた。 これより、BMP-4そのものが神経堤細胞出現に直接関与することはないと考えられたので、BMP-2,およびBMP-7のmRNAの分布を検討する必要があると考えられた。また、新たなPCR用の混合プライマーを設計する必要が考えられた。
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Research Products
(1 results)