1994 Fiscal Year Annual Research Report
IFN-γによるヒト培養唾液腺導管上皮細胞へのクラスII、サイトカイン誘導能の解析
Project/Area Number |
06771595
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浜野 弘規 徳島大学, 歯学部, 助手 (10238074)
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Keywords | シェ-グレン症候群 / クラスII分子 / サイトカイン / 唾液腺導管上皮細胞 |
Research Abstract |
シェ-グレン症候群は唾液腺、涙腺にCD4陽性T細胞の浸潤を伴う腺組織破壊がもたらされ、臨床的にドライアイ、ドライマウスをきたす原因不明の自己免疫疾患である。この病態の形成には唾液腺病変局所におけるサイトカインの産生異常が密接に関連しているといわれている。一方、自己免疫疾患の発症にはクラスII抗原の異常が指摘され、HLA抗原と疾患感受性との関連性も明らかにされている。今回、ヒトシェ-グレン症候群自己免疫性唾液腺炎におけるクラスII分子とサイトカイン産生との関連性を明らかにするため、ヒト唾液腺導管上皮細胞株であるHSGを用いてIFN-γによるクラスII分子およびサイトカインの誘導を試み、クラスII分子の発現誘導された唾液腺導管上皮細胞が各種サイトカインの産生に関与している事実を明らかにした。即ち、HSG細胞をINF-γ(100U/ml)にて処理したところ、クラスII分子であるHLA-DR遺伝子が処理後1時間より発現し、経時的にその発現が増強されることをRT-PCR法にて認め、蛍光抗体法およびFACS解析においても(HLR-DRモノクロナール抗体)2日目よりDR抗原の発現と経時的なその発現増強を確認した。またINF-γにて処理したHSG細胞はHLA-DR遺伝子の発現とともにIL-1β,TNF-α,IL-6,IL-12遺伝子の発現を認め、経時的にその発現が増強されることをRT-PCR法および免疫組織化学法にて確認した。なお、コントロールである無処理のHSG細胞にはDR分子や各種サイトカインの発現は認められなかった。本研究においてヒト唾液腺導管上皮細胞におけるクラスII分子とサイトカイン誘導能の重要性を明らかにすることができたことから、今後はこれら誘導されたクラスII分子や各種サイトカインの抑制効果の検討や、発現されたクラスII遺伝子と各種サイトカインの細胞内におけるシグナル伝達機構の解析が必要とされる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayashi Y.: "Pathogenesis of Sjoren symdrome-like autoimmne lesions in MRL/lpr Mice" Pathology International. 44. 559-568 (1994)
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[Publications] Hayashi Y.: "Transfer of Sjoren´s symdrome-like autoimmune lesions into SCID mice and prevention of lesions by anti-CD4 and -T cell receptor antibody treatment" Eur.J.Immunol. 24. 2826-2831 (1994)
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[Publications] Haneji N.: "A new animal model for primary Sjoren´s symdrome in NFS/sld mutant mice" J Immunology. 153. 2769-2777 (1994)