1994 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類舌の形態形成における免疫組織化学的手法による細胞間相互作用の解析
Project/Area Number |
06771613
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
熊倉 雅彦 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (60234514)
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Keywords | 形態形成 / 上皮細胞間相互作用 / 免疫組織化学 / 糸状乳頭 / EGF / レクチン / EGFレセプター |
Research Abstract |
一般的に哺乳類の舌背表面には4種類の舌乳類(糸状、茸状、有郭、葉状乳頭)が分布するが、マウス・ラット胎児の発生にともなう糸状乳頭の形態形成過程をABC法(アビチンビオチン複合体法)により免疫組織化学的に検討した。特に形態形成における上皮細胞間相互作用の解析を目的として、舌粘膜上皮を構成する細胞のEGF(上皮成長因子)とEGFレセプターの局在の解析にはEFG抗体・EGFレセプター抗体を用い、細胞同士の認識機構に重要であると考えられる上皮細胞表面の糖鎖については9種のレクチン(WGA,UEA-I,SBA,PNA,LPA,GS-I,DBA,Con A,BPA)を用いて検討を行った。 胎齢14日目のマウス胎児で多層化した上皮層に局所的にEGFレセプター陽性反応が認められ、レクチンではWGA,PNA,Con A,DBAとの反応がみられた。EGF陽性反応はマウス、ラットとも胎齢18日目の個体で認められ、いずれも上皮層上層部の細胞に局在がみられた。また、この時期に反応がみられたレクチンはWGA,SBA,Con Aであった。糸状乳頭の形成はマウス胎児で胎齢19日目、ラット胎児で胎齢20日目から開始され、マウス・ラットとも上皮層上層部に多くのEGF陽性反応がみられたが、EGFレセプター陽性反応はマウスでしか確認できなかった。なお、反応がみられたレクチンはWGA,SBA,Con A,LPAであった。マウス・ラット新生児では幼若ではあるが、ほぼ完成された糸状乳頭が観察され、両種ともEGF陽性反応の局在部位は減少した。 糸状乳頭の形成過程でのEGF、EGFレセプターの局在の変化、またそれにともなうレクチンの細胞表面糖鎖結合性の変化から、形態形成における細胞膜を 介した上皮成長因子の重要性が示唆されるが、他の細胞成長因子との関係についても、さらに検討する必要がある。
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