1994 Fiscal Year Annual Research Report
培養骨芽細胞の石灰化とALP活性に対するコラーゲンの架橋形成阻害剤の効果
Project/Area Number |
06771651
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
関 九美子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (00261008)
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Keywords | 骨芽細胞 / アルカリホスファターゼ / 亜鉛 / HEBP / カルシウムイオノファー |
Research Abstract |
骨芽細胞のマーカー酵素とみなされているアルカリホスファターゼ(ALP)はPIをアンカーとしたectoenzymeとして存在しており、硬組織石灰化に極めて重要な役割を果たしている。骨組織の石灰化とALP活性との関連について検討するため、培養骨芽細胞を用いて、物理化学的にミネラル沈着を抑制するHEBPおよび亜鉛処理による石灰化抑制時のALP活性を解析した。HEBP(0.1mM)および亜鉛(0.1mM)処理はいずれもMC3T3-E1の石灰化を抑制すると同時にALPの培養液中への遊離を促進した。EctoenzymeとしてのALP量も有意に増加していたが、ALPのectoenzymeとしての存在比率(90%以上)はこれら薬物により変動しなかった。また、RT-PCR法によりALPのmRNAの増加も確認された。また、これら薬物は石灰化を抑制しない低濃度でもALP活性を増加させたので、ALP合成系に対する促進効果であると考えられた。また骨コラーゲン、非コラーゲン蛋白の産生抑制を惹起するカルシウムイオノファーA23187処理により細胞内カルシウムを増加させたところ、MC3T3-E1、ROSI7/2.8、SaOS等の骨芽細胞様細胞において、いずれもALPの培養液中への遊離の増加が認められた。このA23187の効果は培養液中の血清濃度に依存せず、処理時間に依存していた。また、A23187による遊離ALPの増加はML-7処理によって抑制されたが、TPA、スタウロスポリンにより影響を受けなかった。このことからA23187によるALP遊離量の増加は細胞内カルシウム上昇に基づき、カルモジュリンを介した機構に関連している可能性が高い。石灰化/コラーゲン形成とALP動態との関連についてさらに検討を加えている。
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Research Products
(1 results)