1994 Fiscal Year Annual Research Report
^<31>P-MRSの分析によるハムスター頬部実験腫瘍の放射線治療効果に関する研究
Project/Area Number |
06771659
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
足利谷 美砂 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (70212496)
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Keywords | MRS / ハムスター頬粘膜腫瘍 |
Research Abstract |
本研究において現在までに以下の内容が行なわれた。〈方法〉生後7週令のシリアンゴールデンハムスターの頬のう正常粘膜及び粘膜下にO-N株(本学第一口腔外科から分与)を移植したものについて^<31P>-MRSを測定した。使用機種は動物用NMR装置JEOL製LMN-GX270(静磁場強度6.3T)、使用検出器は表面コイル型JEOL製NM-G27TSPWプローブである。測定は、腹腔内ネンブタール麻酔下(約90mg/kg)にて頬のうを飜転固定し、粘膜部もしくは腫瘍部を表面コイルの感度領域内に設置して行った。腫瘍体積は腫瘍の長径a・短径b・高さcを計り、(a×b×c)π/6の式から算出した。測定前には表面コイルのチューニング・マッチングを行い、^1Hの信号でシミングを行った。測定条件は共鳴周波数109.25MHz、繰り返し時間1.90、rfパルス幅15secで、測定周波数帯域はPCrのピークを基準(016ppm)とし、約+45〜-45ppm、得られたFID信号は512回加算した。サンプリング間隔は50μsec・2048ポイントで、30Hzのexponential line broadeningのフィルター関数にてS/N比の向上を図り、フーリエ変換を行ってスペクトルを得、スペクトルには位相補正、ベースライン補正を加えた。スペクトル成分の検討には各成分のピークの高さの比(信号強度比)を用い、細胞内pHは、PCrと基準としてPiの化学シフト(δppm)からpH=6.80-log(5.73-δ/δ-3.22)の式を用いて算出した。〈結果〉腫瘍は移植後10週前後で約1000mm^3に達し、個体は同時期に大部分が腫瘍死した。測定結果であるが、正常な頬のう粘膜(個体数15匹)においては明らかなスペクトル成分のピークは認められず、全体がほぼ雑音領域であった。移植腫瘍(腫瘍体積100〜1000mm^3・個体数16匹)についてはピークを、認めたが、腫瘍体積に対する各成分信号強度比及び細胞内pHには明らかな相関関係は認められず、同腫瘍に関してのエネルギー・リン脂質代謝及び細胞内pHは腫瘍体積(少なくとも100〜1000mm^3)に依存しない可能性が示唆された。
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