1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771793
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石橋 実 東北大学, 歯学部, 助手 (40231138)
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Keywords | ポーセレンジャケットクラウン / 三次元有限要素法 / 応力解析 / 耐久性 |
Research Abstract |
ポーセレンジャケットクラウンは優れた審美性や生体親和性など数々の利点をもっているが,強度が比較的低いという欠点ももっている.この欠点を改善する方法を探るための基礎的検討として,三次元有限要素法を用い,ポーセレンジャケットクラウンの形態を変化させることによって応力集中部がどのように変わるか,また,強化された陶材を用いた場合はどうかを調べ,破折しにくいクラウンの形態とそのための支台形態について検討し,さらに陶材強化材の有効な使用法についても検討することにした.類似の研究について従来報告されているものの殆どがパーソナルコンピュータによる解析であるために臨床的条件が十分に再現されず,解析結果と臨床的に経験される破折の様相とがよく対応しないものだった.しかし,本学では大型計算機センターにおいて汎用構造解析プログラムのサービスが受けられるため,これを利用して検討を行うことにした. そこで,本年度は三次元有限要素法を用いたポーセレンジャケットクラウンの応力解析を行う際に,特に臨床的なポーセレンジャケットクラウンの形態をよく再現したモデルの構築に留意することにした. その結果,本法では静的解析だけでなく非線形問題も扱えるため,材料間の境界条件や高い応力下におけるセメント層の挙動などを詳しく設定することによってセメント層の崩壊や剥離も考慮した精度の高いシミュレーションが行える可能性が示され,有用であることがわかった.しかし,モデル構築にあたっては修正を繰り返しながら大量のデータを取り扱うので,種々条件を変えての解析までは行えなかった.ただし,これはさらに検討を重ね,操作上の効率化を図ることで早期に実施できると思われるので,引き続き検討を行い,より強いポーセレンジャケットクラウンを製作する方法を探る基礎としたい.
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