1994 Fiscal Year Annual Research Report
咬合力多点同時記録による咬合力分布の動態に関する研究
Project/Area Number |
06771795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 雅彦 東北大学, 歯学部, 助手 (60195211)
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Keywords | 咬合力分布 / 咬合接触 / 咀嚼筋活動 / スプリント / クレンチング / バイオメカニクス |
Research Abstract |
多点における咬合力の分布は、各咬合接触点の接触条件、咀嚼筋の活動レベル、そして歯根膜や顎骨の機械的特性などと密接な関係にあると推察される。そこで本研究では、これら咬合力分布に影響を及ぼすと考えられる要因について明らかにすることを目的に以下の研究を実施した。 方法として、被験者4名に対して上顎スプリントを作製し、右側の下顎犬歯、第二小臼歯、第一および第二大臼歯それぞれの咬頭1点と咬合するような位置にトランスデューサを埋入した。各トランスデューサにはスチール製の円板を貼付しその上に咬合調整のためのレジンを少量重合して、スプリント上の中心咬合位においてきわめて軽微なタッピング運動を被験者に命じたときに、両側で均等に咬合接触し、各トランスデューサから均一な咬合力が得られるまで咬合調整を行った。実験では5秒間のうちに咬合力が最大になるような両側クレンチングの咬合力分布を記録した。同様の実験をスプリント非測定側(左側)の咬合接触を段階的に除去した場合についても行い、両側均等咬合の場合と比較した。 その結果、両側均等咬合の場合には最大咬合力は犬歯部から後方歯部に向かって一様に増加する分布を示した。また、4測定部位の咬合力の総和に対する各部位の咬合力の比率は中等度以上のクレンチング・レベルにおいてそれぞれ一定になる傾向がみられた。一方スプリントの非測定側・大臼歯2歯の咬合接触を除去した場合には咬合力分布は両側均等咬合の場合と比較して大きな変化はみられなかった。これに対し測定側4歯のみの片側咬合の場合には、両側均等咬合の場合と比較して第二大臼歯部の咬合力は変化しないが犬歯部、小臼歯部の咬合力が上昇した分布を示した。これらの結果は、下顎が両側顎関節を支点とした弾性を有するハリであることを反映したものと推察された。
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