1994 Fiscal Year Annual Research Report
抜歯窩への骨誘導蛋白および生体高分子材料の適用による歯槽骨の再構築
Project/Area Number |
06771863
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
丸岡 宗康 昭和大学, 歯学部, 助手 (00245812)
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Keywords | BMPs / 生体高分子材料 / ポリアニヨン / ポリカチオン / 担体 / 異所性骨形成 |
Research Abstract |
口腔領域に発症する疾患は顎骨の吸収や欠損をきたし、咀嚼機能の減退を引き起こす。この顎骨の吸収あるいは欠損を再構築できることが可能になれば義歯の維持安定が良好になるのは言を待たない。その解決策の1つとして生体材料を用いて骨欠損部の回復が試みられている。その中でも間葉系細胞を骨へ分化誘導する能力を有する蛋白集合体(Bone Morphogenetic Proteins:以下BMPs)が注目されており、多くの研究者によってその精製が試みられており、近い将来、歯科および整形外科領域での臨床応用が期待されている。 そこで本研究は、BMPsによる骨形成をさらに効率よく促進できる担体を開発することを目的として、物質透過性、電解質、親・疎水性など生体適合性材料としての物性特性を有する生体高分子材料(ポリアニヨンとしてK-CARRAGEENAN、ポリカチオンとしてPOLY VINYLBENZYL TRIMETHYLAMMONIUM CHLORIDE)に注目し、BMPsの担体として利用し、骨誘導を行わせることにより、その骨形成状態の経過観察、形態の変化を検索した。 牛大腿骨より4MGuHClを用いて抽出した抽出物をヘパリンセファロースカラム、ハイドロキシアパタイトカラムにより精製し、粗精製BMPsとする。担体として従来より用いられているI型コラーゲンと今回新たに適用を試みた高分子材料(K-CARRAGEENANとPOLYVINYLBENZYL TRIMETHYLAMMONIUM CHLORIDE)を用いてそれらをBMPsと再構成を行い、ラット大腿部筋嚢に埋入し、4週間後病理所見およびレントゲンのが画像解析により新生骨量を比較検討した。その結果コラーゲン埋入群、高分子材料埋入群、とも明らかな異所性骨形成が認められた。 高分子生体材料は生体に対する為害性のないことが報告されており、今回の結果よりコラーゲンに代わるBMPsの担体として利用できることが判明した。
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