1994 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内用超音波探触子による口腔癌の診断・治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
06771908
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中山 均 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (70180437)
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Keywords | 超音波検査 / 口腔内用探触子 / 口腔癌 / 組織内照射 |
Research Abstract |
アロカ社製超音波装置SSD-650を使用し、口腔内容超音波探触子を用いて正常例および舌癌・口腔底癌患者の口腔内用超音波探触子による検査をおこなった。画像はビデオ端子を介してパーソナルコンピュータに入力しフイルムライブラリーとして記録した。 正常例では一般に外舌筋と内舌筋の区別、口腔底の筋群や顎下腺管、一部では舌下腺の描出が可能であった。舌動脈は拍動を伴う細い管腔構造として同定が可能であった。今回収集された資料においては、舌内リンパ節を描出することはできなかった。MRI検査では磁性体アーチファクトが問題となり、特にそうした症例ではT分類に関して重要な検査法となると考えられた。 症例については、舌癌および口腔底癌が検索された。舌癌では、病巣は舌内の脂肪層の消失を伴う低エコー領域として描出され、これは手術によって得られた病巣の範囲とほぼ一致していた。しかし、組織診後におこなわれた検索では、組織欠損が低エコー領域として描出され、ともすれば他の検査法よりもその影響が強く現れる可能性が示唆され、画像検査前の組織診はできる限り避けるべきであると考えられた。 病巣の経時的変化については他の検査法と並行して、口腔底癌の組織内照射前後の状態が検査された。その簡便さからMRI検査などと比べて数倍の回数の検査が可能であり、病巣の性状や大きさの変化についても有効な情報が得られた。 咽頭癌の手術後の再発に対する組織内照射についても、組織内照射前に組織の欠損を利用して探触子を挿入し、模擬針を利用して、方向や深度・動脈などとの関係を精査した。術前の予行演習にきわめて有効であり、今後手術中の応用についても積極的に検討されるべきであると考えられた。ただし、通常の症例ではこうした部位への挿入はきわめて困難であり、探触子のより一層の小型化が望まれる。 これらの成果についてはさらに症例を収集し歯科放射線学会誌等に発表予定である。
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