1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771986
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 一郎 東北大学, 歯学部, 助手 (70241643)
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Keywords | 咀嚼筋活動 / 下顎頭軟骨 / 形態形成 / 細胞外基質 / コラーゲン / プロテオグリカン |
Research Abstract |
下顎頭軟骨における成長発育に咀嚼筋の筋機能が果たす役割を解明することを課題として,外側翼突筋,内側翼突筋,咬筋および側頭筋の活動性の亢進が軟骨組織の分化形成に与える影響をコラーゲン,フィブロネクチン,グリコサミノグリカンなどの細胞外基質およびインテグリンの局在や細胞骨格の変化に注目して検討する.特に今年度は外側翼突筋に目標を限定して,電気刺激にともなう活動性の亢進が下顎頭軟骨における間葉系細胞の分化に与える影響をI型,II型コラーゲン,グリコサミノグリカンなどの細胞外基質の局在を指標として検討した.外側翼突筋の電気刺激に伴い,外側翼突筋付着部や,関節円板後部組織付着部において軟骨組織の脱分化および膜内骨形成が起こることが示された.すなわち,軟骨組織に特有の細胞外基質であるII型コラーゲンおよびグリコサミノグリカンが消失し,これにかわってI型コラーゲンを主体とする石灰化した骨組織へと置換された.これは外側翼突筋の電気刺激に伴い両付着部に牽引力が負荷された結果と考えられた.また関節面に面する下顎頭軟骨の一部が一時的に肥厚し下顎頭内部の骨梁柱の走行方向が変化しているのが認められ,外側翼突筋の電気刺激に伴う顎関節部での力学的環境の変化に下顎頭が適応していくのが観察された.さらにこれに伴いコンドロイチン4硫酸あるいはコンドロイチン6硫酸などの局在に変化が認められた.とくにコンドロイチン4硫酸の局在変化は関節面への負荷の増加に伴う未分化間葉系細胞の分化階段の一過性の上昇を示唆するものと考えられた.こうした事実は下顎頭軟骨における軟骨組織の分化形成が種々の咀嚼筋活動に大きな影響を受けることを示唆するものと考えられ,矯正臨床における下顎骨の成長発育に対するアプローチの効果や方法について重大な示唆に富んだものであると考えられる.
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Research Products
(1 results)