1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット歯周組織細胞の加齢変化と各細胞の機械的伸展力による応答性の違いについて
Project/Area Number |
06772036
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
五関 たけみ 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20225642)
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Keywords | aging / mechanical stress / 歯周組織 |
Research Abstract |
6週齢(young)および24ケ月齢(aged)ラットの下顎切歯歯槽骨骨片をcollagenase処理して得られた骨芽細胞を、底面がラバー製の培養dish(Flexcell社製)に3x10^5cells/wellになるように培養し、confluent後コンピューター制御のFlexcercell strain unit(Flexcell社製)にてdish底面積が18%増加となるような周期的伸展力(6 cycle/min,i.e.5sec elongation and 5sec relaxation)を加え、3、6、24、72時間後のプロスタグランディン(PG)E_2およびインターロイキン(IL)-1βの産生量の検討を行った。PGE_2産生量は、周期的伸展力を加えた(tension)群がyoungおよびAgedとも伸展力を加えなかった(control)群よりも有意に増大し、さらにyoungよりもagedの方がより増大する傾向を示した。経時的には3、6hと増大し24、72hと減少する傾向を示し、その傾向にはyoungおよびAgedでの差は認められなった。IL-1β産生量はPGE_2産生量の場合と同様に、tension群がyoungおよびAgedともcontrol群よりも有意に増大し、さらにyoungよりもagedの方がより増大する傾向を示した。しかしその増大量は、我々がin vitroで老化させたヒト歯根膜細胞を用い同様な実験を行って得られた結果に比べ、ラットの歯槽骨骨芽細胞でのPGE_2産生量はほぼ同様な結果となったが、IL-1β産生量での増大量は小さい傾向を示した。これが歯根膜細胞と、歯槽骨骨芽細胞の周期的伸展力に対する応答性の差であるかどうかを検討するため、現在ラットの歯根膜および歯肉それぞれから得た細胞により同様の実験を準備中である。今後さらに各種細胞の培養上清中に放出される骨吸収能活性についても検討し、各歯周組織細胞の加齢による変化を検討する予定である。
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