1994 Fiscal Year Annual Research Report
イドース型グリコピラノース類に対する新規C-アリルグリコシル化反応の開発と応用
Project/Area Number |
06772056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀田 清 北海道大学, 薬学部, 助手 (50181540)
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Keywords | イドース型グリコシルピラノシド / C-アリルグリコシル化反応 / 5置換テトラヒドロピラン環 / 立体選択的 / BF_3OEt_2 / TMSOTf / ルイス酸 |
Research Abstract |
天然には5置換のテトラヒドロピラン(THP)環を基本骨格とする重要な生理活性を示す天然物が数多く存在する。5置換のTHP環は有機合成化学的にみると、対応するグリコピラノースのC-グリコシル化された化合物と見なすことができ、その効率的な合成法の開発が望まれている。これまでにグルコース、マンノース、ガラクトース誘導体に対するC-アリルグリコシル化反応が検討され、いくつかの優れた方法論が開発されている。 本研究において、今まで全く研究例の無いイドース型の立体配置を有するピラノシド誘導体に対する立体選択的C-アリルグリコシル化反応を開発すると共に天然生理活性物質に応用し、その有用性を証明することを目的として研究を行い以下の研究実績を上げることができた。 (1)イドース型の立体配置を有するメチルピラノシド誘導体に対するC-アリルグリコシル化、特に、存在する水酸基が保護されている場合には従来用いられてきたいかなる方法でも高い立体選択性を得ることができないことが分かった。 (2)この問題点を解決するために種々検討した結果、ピラノシド誘導体の2,4位の水酸基が保護されていない場合に、かつ、ルイス酸としてBF_3OEt_2とTMSOTfをアセトニトリル中で1:1以上(BF_3OEt_2が過剰)混合させて用いた時のみ高いα選択性(25:1以上)を得るという、極めて興味のある知見を得た。ちなみに、両ルイス酸を単独で用いた時には全く異なる結果になる。 (3)さらに詳細に検討した結果アセトニトリル中でBF_3とOEt_2とTMSOTfが反応し、新たなルイス酸として、BF_3(OTf)が生成することを見い出した。同時に、新たに生成したBF_3(OTf)が水酸基フリーのイドース誘導体に対するC-アリルグリコシル化に対して非常に有効なルイス酸であることが分かった。 (4)この反応を鍵反応として非常に強い抗腫瘍活性を有する海洋産ポリエーテルマクロイド、ハリコンドリンBのF環構築を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kiyoshi Horita: ""Synthetic Studies of Halichondrin B,an Antitumor Polyether Macrolide 1"" Synlett. 38-40 (1994)
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[Publications] Kiyoshi Horita: ""Synthetic Studies of Halichondrin B,an Antitumor Polyether Macrolide 2"" Synlett. 40-43 (1994)
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[Publications] Kiyoshi Horita: ""Synthetic Studies of Halichondrin B,an Antitumor Polyether Macrolide 3"" Synlett. 43-45 (1994)
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[Publications] Kiyoshi Horita: ""Synthetic Studies of Halichondrin B,an Antitumor Polyether Macrolide 4"" Synlett. 45-48 (1994)