1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06772113
|
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
土井 光暢 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (10183500)
|
Keywords | グラミシジンS / 両親媒体 / ペプチド / キラリティー / 鏡像体(エナンチオマー) |
Research Abstract |
平成6年度までに科学研究補助(奨励A)によって遂行された構造化学的知見に加え,アミノ酸の光学活性を逆転させたグラミシジン誘導体の合成を試みた.グラミシジンSは現在までに種々の形態の結晶を得ているが,分子会合によって結晶学的に極めて解析に困難を伴う程の分子量になっている.そこで,HIV proteaseの構造解析に考案された,鏡像体を用いたラセミ結晶の作成に取り組んだ. グラミシジンは5種類のアミノ酸を持ち,うちPheがD体である.L体4種類のアミノ酸について,その鏡像体であるDアミノ酸を用い,固相合成用にFmoc基によるアミノ基保護,ペンタフルオロフェノールによるカルボキシル基の活性エステル化を行った.オルニチンについては側鎖にBenzocarboxy基を用い,樹脂からのトリフルオロ酢酸による脱離の際に脱保護されない誘導体とした.これらの鏡像体アミノ酸誘導体を,Pharmacia BioLynxを使用しL-Phe樹脂に順次導入し,10残基の直鎖ペプチドを合成した.樹脂から切り放した粗プルチドを樹脂2gから役80mgを得た.この次に環状化を行うべく,高希釈法で縮合したが,混在するトリフルオロ酢酸のため,副反応物を生じた.現在は副反応物から目的物である鏡像体グラミシジンを精製している.
|
Research Products
(1 results)