1994 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛(II)-環状ポリアミン錯体を用いたDNA鎖切断分子の開発
Project/Area Number |
06772119
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 義仁 北海道大学, 薬学部, 助手 (20250467)
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Keywords | ポリアミン / オリゴヌクレオチド / DNA鎖切断分子 |
Research Abstract |
ポリアミンを結合させたオリゴヌクレオチドのduplexおよびtriplex形成における熱的安定性を検討するために、デオキシウリジン5位にリンカーを介してポリアミン(スペルミジン)を結合させたオリゴヌクレオチドを合成し、duplexおよびtriplexの50%融解温度(Tm値)を熱変性法によって求め、未修飾オリゴヌクレオチドのTm値と比較した。まず、5-iododeoxyuridineを出発原料とし、パラジウムを用いたクロスカップリングによりデオキシウリジン5位に3-プチン-1-オール基を導入した。接触還元、脱シリル化反応を経て5-ハイドロキシブチル誘導体へと導いた後に、Swern酸化5-ホルミルプロピル誘導体(1)とした。1とスペルミジン保護体との還元的縮合反応によってデオキシウリジン5位にスペルミジンを導入したヌクレオシド誘導体を合成した。更に数工程の反応を経て、アミダイトユニット(2)とした後に、2を用いたホスホロアミダイト法による固相法によってスペルミジンを導入したオリゴヌクレオチドを合成した。合成したオリゴヌクレオチドのduplexおよびtriplex形成における熱的安定性を検討するために、標的一本鎖DNAおよび標的二本鎖DNAとのduplexおよびtriplexの50%融解温度(Tm値)を熱変性法によって求めたところ、スペルミジンを導入したオリゴヌクレオチドはduplexおよびtriplexを安定化させることが明らかとなった。今後、この手法を環状ポリアミンに適応し、環状ポリアミンを導入したオリゴヌクレオチドを合成し、DNA鎖切断を試みる。
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