1994 Fiscal Year Annual Research Report
フォモプシン、ウスチロキシンをリ-ド化合物とする新規有糸分裂阻害剤の設計と合成
Project/Area Number |
06772186
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白井 隆一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80183838)
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Keywords | フォモプシンA / ウスチロキシンA / チューブリン / 有糸分裂阻害剤 / 酸化白金 / 環状ペプチド / 稲こうじ / 構造活性相関 |
Research Abstract |
フォモプシンAはルピン豆に寄生するかびPhomopsis leprostromiformisの生産するマイコトキシンとして、また当研究室で単離・構造決定されたウスチロキシンAは、Ustilaginoidea virens Cookeにより引き起こされる稲の病害の稲こうじ病に侵された籾から得られ、ともに豚脳チューブリンの重合を低濃度で強く阻害する。共に核となる中員環部分がほぼ同一構造であるという大きな特徴と有する。しかしながら中員環上の側鎖はその位置、構造とも全く異なっており、構造活性相関に興味が持たれている。 1、チューブリン重合阻害活性発現に必須な構造な決定-最小構造からのアプローチ 有糸分裂阻害剤フォモプシンAとウスチロキシンAの活性発現にどのような構造が最低限必須であるかを明らかにするために、それらの中員環構造から共通の構造を抽出し、環上に置換基の存在しない類縁体2つを設計・合成した。これらの化合物には、豚脳チューブリンの重合阻害活性が認められず、環上の水酸基・N-メチルアミノ基・イソプロピル基等の置換基が活性発現に寄与していることが明らかになった。これら置換基を有する新規類縁体の合成は現在進行中である。 2、チューブリン重合阻害活性発現に必須な構造の決定-最大構造からのアプローチ 稲麹よりウスチロキシンAを単離し、そのスルホキシド側鎖を酢酸中酸化白金を用いて接触還元することによりウスチロキシンDの合成法を確立した。現在、ウスチロキシンDを出発物質としてさらに置換基の少ないウスチロキシン類縁体の合成を検討中である。
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