1994 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学編入学カリキュラムのモデル開発に向けて -短期大学を卒業した看護婦の学習要求の分析-
Project/Area Number |
06772238
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
平河 勝美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (10254476)
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Keywords | 看護系大学 / 編入学課程 / 学習要求 |
Research Abstract |
本研究は、看護系大学へ編入学する可能性が最も高い者として、短期大学の卒業者である看護婦を対象に、その学習要求を明確にすることを目的として実施した。研究計画に基づき、調査を2段階に分けて行った。第1段階調査の質問紙は4領域から構成し、そのうち学習要求のレベルについては、社会教育学の先行研究成果である「学習要求の属性論的測定基準」を準拠枠とした。第2段階調査は半構成的面接法による面接調査で、主な質問内容は学習要求を抱いた動機や経緯、編入学課程に対する意識や期待とした。 まず質問紙調査の結果、対象者は男性2名を含む225名、臨床経験年数は平均5.3年であった。学習要求の内容は予想通り看護学が最も多く、その中でも看護の動向を反映して看護診断が多かった。次いで社会科学が多く、患者を理解したい切実な想いが強いことが推察された。しかし、111名(50.2%)の意識は何となく関心がある程度であり、学習関心のレベルで留まっていると思われた。編入学志望者も37名(16.6%)と予想を下回った。ただし編入学に興味を持つ者は116名(52.0%)あり、今後これからの看護婦の意識に注目する必要があると思われた。編入学の主な阻害要因には休職等の制度が保障されていないこと、編入学試験の倍率が高いことがあった。 次いで面接調査は、編入学志望者のあった37名のうち無作為抽出した22名を対象に行った。その結果、各対象者の学習要求を形成した主な要因で見ると、(1)自分自身に対する関心、(2)知識や思考に対する関心、(3)看護に対する関心、(4)その他の関心、の4つに分類された。(1)と(2)は比較的内的な条件であり、(3)と(4)は外的な条件と考えられた。なお、編入学課程について正確な情報を持っている者は極めて少なく、抱いている印象もさまざまで、自分の学習要求どおりの学習ができると期待している場合が多かった。
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