1994 Fiscal Year Annual Research Report
小学校家庭科担当教員の生活時間における家庭科への関与
Project/Area Number |
06780007
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
堀内 かおる 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (00252841)
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Keywords | 小学校家庭科 / 教員 / 生活時間 |
Research Abstract |
小学校における家庭科への関与の実態について、教員の生活時間を調査した結果、家庭科の担当形態による明らかな相違が認められた。家庭科の授業日とその前後の2日間の、合計3日間の生活時間調査実施日がすべて平日であった対象者につき、詳細な比較を行い、以下のような知見を得た。(1)現在家庭科を担当している第5・6学年学級担任の男性教師と同女性教師、および学級担任外で家庭科を担当している女性教師(教頭、教務主任、複数教科担当、講師:以下、「その他の女性教師」と記す)の家庭科授業日の家庭科への関与時間は、それぞれ1時間32分、2時間1分、3時間26分であり、その他の女性教師の家庭科への関与時間が最も長かった。(2)家庭科の授業日の前日における家庭科への関与時間は、第5・6学年学級担任の男性教師12分、同女性教師19分、その他の女性教師1時間11分であった。その他の女性教師は個人で行う教材研究の時間が26分であり、第5・6学年学級担任教師(男12分、女8分)と大きく開いていた。(3)家庭科の授業日の翌日には、第5・6学年学級担任教師の家庭科への関与時間がほとんど皆無であったのに対し(男0分、女3分)、その他の女性教師は37分であった。(4)第5・6学年学級担任の女性教師は、同男性教師およびその他の女性教師と比較して最も勤務時間が長く、3日間とも10時間を越えていた。この理由については、さらに検討する必要性が認められた。 調査当初予想されたような、家庭科を指導するということに対する意識上の性差は認められなかったが、担当教師の学校内での地位・役割によって、家庭科への関与の時間量の差が大きいことを明示することができた。特に、顕著な差は教材研究にかける時間量において表れていた。今後は、教師への聞き取り調査を行い、アンケート調査への回答で要望のあった家庭科の教材開発・授業研究につながる実践的な提言を行うことを課題としたい。
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