1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06780057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和久 貴洋 東京大学, 教養学部, 助手 (40242028)
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Keywords | コンディション / オーバートレーニング / トレーニング量 / 尿中タンパク / 心拍反応 / フィットネス / 定量運動負荷 / 剣道 |
Research Abstract |
競技スポーツ選手のコンディションを把握するための指標とその評価方法を検討するため,以下の実験・調査を行なった。 1.トレーニング量が増加する強化合宿において,起床時におよび就寝前の安静時に心拍数,血圧,尿中タンパクなどの測定と主観的コンディションの調査を行なった。合宿中の心拍数,血圧,心拍血圧積,平衡機能,尿中タンパクの変動は,主観的コンディションの変動と一致し、これらを用いて選手のコンディションを評価できることが示された。 2.同一時間帯に定量自転車運動負荷を行ない,その際の心拍反応と主観的なコンディションの測定・調査を行なった。起床時の心拍数,主観的コンディションには差はなくても,運動時の主観的コンディションは異なり,その差は運動中の心拍反応の差として顕著に現れた。安静時のチェックのみでは現れないコンディションの変化は,一定の運動負荷を与えることによって評価できると考えられた。 3.特殊な強化練習の一つとして,冬季早朝に行なわれる剣道の寒稽古を取り上げた。寒稽古中の主観的コンディションと寒稽古前後の持久的フィットネスの変化を調査・測定した。寒稽古直後に持久的フィットネスは有意に低下し,その3か月後においても回復していなかった。この原因として寒稽古のトレーニング負荷が考えられ,オーバートレーニングに陥る危険性も示唆された。た持久的フィットネスの変動と寒稽古中の主観的コンディションには相関関係が認められ,コンディション評価におけるフィットネスチェックの有用性が示された。 今後の研究計画としては,コンディションの指標を増やし(自律神経機能,内分泌反応,免疫機能など),定量負荷によるコンディション評価の実用性の検証,剣道の寒稽古中のコンディションについての詳細な検討,オーバートレーニングのモデル研究などを行なう。
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[Publications] 和久,貴洋: "剣道選手のコンディショニングに関する事例研究" 東京大学教養学部体育学紀要. 29(印刷中). (1995)
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[Publications] 和久,貴洋: "コンディショニングの科学(II-8剣道)" 朝倉書店, 280 (1995)