1994 Fiscal Year Annual Research Report
競泳競技におけるスタート局面の細分化とその競技力への影響
Project/Area Number |
06780076
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
生田 泰志 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (30243281)
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Keywords | 競泳 / スタート局面 / 足離れ時間 |
Research Abstract |
本研究では競泳競技におけるスタート局面についての一連の動作をビデオ撮影し、スタート局面が競技力におよぼす影響について検討することを目的とした。 被験者は1994年度日本選手権水泳競技大会における男子50m自由形に出場した3、4、5及び6コースの選手31名とした。撮影には観客席上段に設置した2台のカメラを使用し、被験者のスタート合図後の足離れ、入水、およびプル開始までを撮影した。それぞれの映像はスタート合図と同期できるようにセットしたビデオタイマーを通してVTRに録画した。分析にはビデオデータ解析システム(VA-60AB)を使用し、60fpsで足離れ、入水及びプル開始までの時間と距離を読みとり、さらに空中期(スタート合図後入水まで)およびグライド期における速度を求めた。尚、10m通過時間及び50mの記録については、日本水泳連盟医・科学委員会による競泳レース分析表より採用した。 50mの記録は、10m通過時間(p<0.01)および足離れ時間(p<0.01)と相関が見られた。10m通過時間は、足離れ時間(p<0.01)および空中速度(フライト距離/入水時間,p<0.01)と相関が見られた。しかし空中速度には、足離れ時間の影響が加わっており、その影響を取り除いた場合には相関は見られなかった。また10m通過時間とグライド速度にも相関が見られなかったが、グライド時間とグライド距離には相反関係が見られた(p<0.01)。つまりグライド局面からストローク局面への移動(速度の変化)には、個々に違ったパターンが存在すると考えられる。 以上のことから、0.01秒台で争われる男子50m自由形のレースについては、足離れ時間を短縮することが競技力向上に必要不可欠であることが判明した。今後は、その要因について解明することが必要であると考えられる。
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