1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06780122
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
久木野 憲司 山口女子大学, 家政学部, 助教授 (20214934)
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Keywords | 骨強度 / タンパク栄養 / カルシウム / 自発運動 |
Research Abstract |
本研究は、食餌ダイエット下における骨の粗鬆化を防ぐために有効と思われる摂取栄養素間のバランスを明らかにすることを目的として、摂取カロリー制限下における骨形成能ラットを用いて実験的に調べた。実験は、ウイスター系雌ラットをタンパク質含有率の異なる3つの食事(10%-protein、20%-protein、40%-protein)群に分け、さらに、各群の半数ずつを自発運動装置にて運動させながら飼育しながら、時折、各群に食事制限を加えた。飼育終了後に骨に関する幾つかの項目について測定を実施し、食事ダイエットが骨形成に及ぼす影響について検索した。その結果、十分な蛋白栄養下においてはCaの体内利用効率は運動によって亢進し、飼育終了時における大腿骨の長さと重量は運動群が有為に高い値を示した。また、レオメーターにて測定した骨の物理的強度においても運動群は20%程の有為な上昇を示しており、長期に及ぶ運動習慣は骨を強固にする事が確認された。しかし、このような骨に対する運動効果は10%-protein群では認められず、骨に対する運動のポジティブな効果は比較的軽い低蛋白状態でも発現しないことが認められた。そのため、骨の強化を運動によって期待するためには通常の蛋白摂取量を常に維持する事が極めて重要であることが示唆された。
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