1994 Fiscal Year Annual Research Report
障害児用CAIのためのオブジェクト指向ユーザインタフェース自動生成システムの開発
Project/Area Number |
06780181
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 望洋 福岡工業大学, 工学部, 助教授 (80222032)
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Research Abstract |
障害児が、コンピュータを利用した学習を行う際は、その障害の種類や程度に応じた最適なインターフェースが必要となる。実際の教育現場では、一人一人の障害児に対して学習用ソフトウェアを現場の教師が作成することが多いが、その児童生徒が当の課題を終了すると、その多くは使い捨てされることになり開発コストの点で問題が多い。 本研究では、学習用の課題プログラムを作成すると、いろいろな障害を持つ児童生徒用に、最適なインタフェースを持つCAIを自動生成するための、基礎的な研究を行った。現在マルチメディアが流行しつつあり、現在世界でもっとも広く使われているGUI(Graphical User Interface)を持つMS-Windowsを対象にシステムの開発を行った。 まず、肢体不自由児(者)用のインタフェース(パソコンに標準で提供とされるキーボードやマウスなどの機器を操作できない児童生徒のために、1〜5個程度のスイッチで、入力操作等を可能とする)、弱視児(者)用インターフェース(学習ソフトウェアの提示するメッセージを大きく表示する)、聴覚障害児(者)用インタフェース(学習ソフトウェアが発する警告音を言葉としてウインドウ表示する)などのインタフェースライブラリを開発した。 次に、色・図形・大きさの弁別のための課題プログラム、筆算の学習を支援する課題プログラムを作成した。これらの課題プログラムは、健常児の利用を前提としたものである。 課題プログラムと、障害児(者)用インタフェースライブラリを、DDE(Dynamic Dat a Exchange)によって結合を行った。健常児用の学習ソフトフェアを開発し、本研究で開発した手法によって障害児用インタフェースを結合することにより、障害児が利用できる学習ソフトが容易に構築できることを確認した。 本研究の成果は、障害児教育へのパーソナルコンピュータの応用に大きく貢献するものである。障害児(者)用ライブラリの充実、課題プログラムとライブラリ結合の自動化などが今後の課題である。
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