1994 Fiscal Year Annual Research Report
グラフとネットワーク上の効率の良い並列アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
06780222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 均 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (70206522)
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Keywords | グラフ / ネットワーク / アルゴリズム / VLSI / スケジューリング / 配線 / CAD / 彩色 |
Research Abstract |
いくつかのグラフ・ネットワーク上の問題を解く効率の良い逐次・並列アルゴリズムを開発した.以下が主な成果である. 1.直並列グラフや部分k-木上の多くの組み合わせ問題は線形時間で解けるが,辺彩色問題は直並列多重グラフ上でも今までに多項式時間のアルゴリズムが知られてない数少ない問題である.本研究では直並列多重グラフ上で辺彩色数を線形時間で求め,さらにO(|V|log|E|)時間で具体的な辺彩色を求める逐次アルゴリズムを与えた.また辺彩色問題をO(log|V|)時間で解く並列アルゴリズムも与えた.ここでVとEはそれぞれ与えられる直並列多重グラフの点集合と辺集合である.この結果はスケジューリング問題を解く上で有用である. 2.外長方形とその内部の1つの長方形(内長方形)で囲まれた平面領域をAとする.Aの内部にはγ個の長方形障害物があるとする.外長方形と内長方形の周上にk組の端子対が指定されているとする.本研究ではA上でそれぞれの端子対を結び,長さの総和が最小な非交差直交道を求める効率の良いアルゴリズムを与えた.平面グラフ上の問題に帰着させて問題を解いており,アルゴリズムの計算時間はO(nlogn)である.ここでn=r+kである.このアルゴリズムはVLSIの一層配線問題等に応用できる. 3.平面領域にm個の長方形障害物とn個の2層配線領域が与えられているとする.障害物の内部でない4点a,a´,b,b´が与えられたときに,a,a´とb,b´を結ぶ2本の道で2層配線領域以外では交差しないものの内で長さの和が最小なものを求めるアルゴリズムを与えた.計算時間はO((m+n)log(m+n))である.このアルゴリズムもVLSIの配線問題等に応用を持ち有用である.
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[Publications] X.Zhou: "A linear algorithm for edge-coloring series-parallel multigra phs" Journal of Algorithms. (掲載決定). (1995)
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[Publications] 高橋淳也: "平面領域で長さの総和最小な非交差道を求めるアルゴリズム" 電子情報通信学会論文誌. J78A(掲載決定). (1995)