1994 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーメディア・アプリケーション・システムのためのマルチメディア・データ構造
Project/Area Number |
06780322
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
富永 浩之 香川大学, 経済学部, 助教授 (80253251)
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Keywords | マルチメディア管理 / ユーザインタフェース / ペリフェラルモデル / 抽象メディア / 同期オブジェクト |
Research Abstract |
本研究は、筆者らが構築した、UNIXワークステーション上のマルチメディア・ユーザインタフェース管理機構(MMUIMS)のプラットフォームであるMUMINシステムを基に、その設計指針となった概念モデル(ペリフェラル・モデル)を拡張する試みである。MUMINシステムの設計時に考察されたのは、アプリケーション本体とそのユーザインタフェースを分離して、それぞれを動的に変更できるような枠組を与えるオブジェクト指向モデルであるが、これをマルチメディア・システムとそこで実行(再生または記録)されるマルチメディア・シナリオとの関係に敷衍したマルチメディア・ペリフェラル・モデルを本研究では提唱している。このモデルでは、マルチメディアの諸相に対応したMMUIMSサービスを提供するため、三層の抽象度からなるインタフェース・レベルを設けている。最下層レベルは、デバイスレベルであり、デバイスオブジェクトとグループマネージャにより、アナログのデータとデバイスの適合と排他制御を行う。また、仮想実行により、アプリケーションの開発時と実行時の差異を吸収させる。中間層は、データレベルであり、データオブジェクトと同期オブジェクトにより、マルチメディアシナリオを1群の複合オブジェクトとしてアプリケーションに提示する。並列実行と順次実行の2つの基本的な同期構造に加え、終了時イベントの発行と再帰的な伝播による動的な同期機構により、インタラクティブなシナリオを簡単な木構造で表現する。また、抽象実行過程のダンプとリストアにより、実行の一時中断や動的合成などをモデル化する。以上の二層については、オブジェクトクラスの体系および各オブジェクトの内部変数と基本的なメソッドを定義した。最上層は、システムレベルであり、コアとペリフェラルの階層的な積み重ねに相当するが、具体的なオブジェクト設計には至らず、今後の研究課題とする。
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