1994 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉用バナジウム候補合金における組織制御による高性能化の研究
Project/Area Number |
06780415
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 学 東北大学, 工学部, 助手 (40226006)
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Keywords | 核融合炉材料 / バナジウム合金 / 中性子照射 / 照射損傷 / 照射誘起析出 / 低放射化材料 |
Research Abstract |
中性子照射したV-Ti-Cr-Si系合金の優れた特性は照射誘起析出物、特にチタンシリサイドに依存すると考えられるので、この析出相の分布、密度を制御することが重要となる。転位や結晶粒界への偏析や、添加元素や酸素などの不純物原子がチタンシリサイドの構造に影響を及ぼすことも考えられる。そのためV-Ti-Cr-Si系合金の優れた特性に及ぼすチタンシリサイドの効果を、添加元素や不純物原子の調整と、熱処理や加工条件による転位密度や結晶粒の制御によってさらに向上させることが可能であると考えられる。本研究では、照射下での高性能化を目指し、照射誘起析出物を制御する手法に関するいくつかの基礎的知見を得た。 高速中性子束実験施設(FFTF)でいろいろなフルエンスまで照射した一連のV-Ti-Cr-Si系合金について照射誘起析出物に着目し、東北大学の共同利用施設等での透過型電子顕微鏡観察やエネルギー分散型X線分光装置を利用して、析出物の同定・確認し分布、数密度および母相との方位関係等を調べた。照射誘起析出物の発達する照射条件については、520℃で7.88x10^<26>n・m^2と600℃で4.26x10^<26>n/m^2(E>0.1MeV)の照射で著しいことが分かった。また析出相の方位関係については、析出相の(0001)面がマトリックスの(111)面と平行であることが分かった。析出相の照射による降伏応力の上昇に対する寄与は小さいこと、延性低下への影響が小さいことが分かった。析出相の密度についてはシリコンの濃度とともに、酸素や窒素の不純物元素濃度や微量に添加したイットリウムやアルミニウムのスカベンジングによる効果も関連することが考えられる。
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Research Products
(1 results)