1994 Fiscal Year Annual Research Report
イソフラボン生合成反応を触媒するシトクロムP-450の遺伝子クローニング
Project/Area Number |
06780459
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
袴塚 高志 東京大学, 薬学部, 教務職員 (60221488)
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Keywords | シトクロムP-450 / 転位反応 / クローニング / イソフラボン / 生合成 / 培養細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イソフラボノイド生合成経路の初発段階である芳香環転位反応を触媒しているシトクロムP-450系酵素:2-Hydroxyisoflavanone Synthaseについて、そのタンパクをコードしている遺伝子をクズ(Pueraria lobata)の培養細胞よりクローニングし、その反応機構及び制御機構についてさらに詳細な検討を加えることにある。そして、あらゆるP-450に保存されているC末端寄りのアミノ酸配列をもとにPCRを行い、クズ培養細胞において発現されているP-450のC末端断片より成るミニライブラリーを作製し、サイズあるいはエリシターへの感受性などを手掛かりにスクリーニングし、最終的には何らかの発現系を用いて完全長の酵素タンパクを作製して活性を確認する戦略を立てた。まず、保存性の極めて高いヘム結合領域のアミノ酸配列ProPheGly x Gly x Arg x Cys x Gly(xは保存性の低いアミノ酸)のうちProPheGly x Gly x Argの部分をもとにして多くの縮重を含むDegenerate Primerを作製し、さらにpolyA配列に相補的なpoly(dT)に制限酵素部位(Xba I)を連結させたプライマーとのセットでPCRを行った。このPCR反応生成物をアガロース電気泳動により分析してみたところ、C末端からヘム結合部位までの距離に相当する400-600bp付近のスメア-なバンドが観察された。この大きさのDNAをゲルから回収し、T4 DNA polymeraseにより平滑末端化した後、Xba Iで消化して片側にXba I Cohesive Endを導入した。これをSma IとXba Iで切断したベクター(pBluescript II SK^-)とライゲーションさせ、大腸菌DH 5αF'にトランスフォームし、アンピシリン耐性を指標にトランスフォーメーションの効率を確認したが、満足のいく結果は得られなかった。現在、PCR産物及びベクターの精製を進め、スクリーニングへと進むに値するライブラリーの作製に勉めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Hakamatsuka: "Isoflavone Synthase from Cell Suspension Cultures of Pueraria lobata" Chem.Phavin.Bull.38. 1942-1945 (1990)
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[Publications] M.F.Hashim: "Reaction Mechanism of Oxidative of Flaahone in Isoflavone Biosynthesis" FEBS Letters. 271. 219-222 (1990)
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[Publications] T.Hakamatsuka: "P-450-Dependent Oxidative Rearrangement in Isoflavone Biosynthesis" Tetrahedron. 47. 5969-5978 (1991)
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[Publications] T.Hakamatsuka: "Recent Progress in Studies of the Biosynthesis of Isoflavonoids" J.Plant Res.Special Issue. 3. 129-144 (1993)
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[Publications] T.Hakamatsuka: "Biotechnology in Agricuture and Forestry,Vol.28" Springer-Verlag Berlin, (1994)