1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトIX因子(血友病B因子)のEGF様第1ドメイン内の新型糖鎖の機能解析
Project/Area Number |
06780474
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 仁 北海道大学, 薬学部, 助手 (80241347)
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Keywords | lX因子 / EGF様第1ドメイン / セレクチンファミリー / Vllla因子 / X因子 |
Research Abstract |
1.血小板糖蛋白質P-セレクチンとlXa因子の結合に対する糖鎖の影響:ヒトlX因子のEGF様第1メドイン内のSer-61に結合している糖鎖(NeuAcα2-6Galβ1-4GlcNAcβ1-3)の糖組成は、接着蛋白質であるセレクチンファミリーのリガンドとして知られるシアリル-Le^xやシリアル-Le^aと全く同一である。そこで、活性型ヒトlX因子(lXa因子)と血小板上に発現しているP-セレクチンとの結合性を調べた。まず、lXa因子に対してグリコシダーゼによる逐次分解を行い、Ser-61に結合している糖鎖を除去した。この糖鎖フリーのlXa因子及び対照のlXa因子をマイクロプレートにコートし、ヒト血小板より精製したP-セレクチンをCa^<2+>存在下でマイクロプレートに加えた。その結合量を抗ヒトP-セレクチンモノクローナル抗体を用いたELISA法で定量した結果、いずれのlXa因子もP-セレクチンとの有意な結合性は観察されなかった。 2.lXa因子のX因子活性化に対する糖鎖の影響:lXa因子の補助因子であるVllla因子は、その分子内にガラクトースレクチンドメインを有しており、この糖鎖はVllla因子のリガンドとして働いている可能性が考えられる。そこで、上述のように糖鎖フリーのlXa因子及び対照のlXa因子調製し、それらをVllla因子の存在下X因子を活性化する再構成系に加え糖鎖の影響を調べた。その結果、いずれの場合もX因子は同程度活性化され糖鎖の影響はみられなかった。
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