1994 Fiscal Year Annual Research Report
脳の性分化におけるアロマターゼの機能に関する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
06780515
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
本田 伸一郎 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (40257639)
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Keywords | アロマターゼ / ステロイドホルモン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
脳内アロマターゼ、および一連のステロイドホルモン合成酵素遺伝子発現に関わる転写因子について以下の研究を行なった。 1、マウス・アロマターゼのエクソン1が多重エクソンを構成していることを明らかとし、脳および卵巣のエクソン1を示した。さらに、本遺伝子の脳特異的エクソン1およびプロモーターを含むマウス・アロマターゼ遺伝子クローンを単離し、それを用いてターゲッティングベクターを構築した。ネオマイシン耐性遺伝子とチミジンキナーゼ遺伝子を選択マーカーとして相同的組み換えによる遺伝子改変をおこしたES細胞クローンを濃縮し、最終的にサザンブロットにより目的のクローンを得た。得られたクローンから発生工学的手法により二匹のキメラマウスを作製することができた。今後、得られたキメラマウスを用いて脳アロマターゼ機能欠損マウスを作製し、その性行動の変化を調べる予定である。 2、ステロイドホルモン合成系酵素の遺伝子発現のメカニズムを研究し、ステロイドホルモン産生細胞に発現して、ステロイドホルモン合成系P-450の発現を調節している転写因子、Ad4BPの転写調節機能について解析を行った。Ad4BPは副腎皮質でのP-450(11β)やP-450(scc)遺伝子のACTHによる誘導的発現に関わっていることを明らかにした。また、この機能にはAd4BPに加えてCRE結合タンパク質が必要であり、cAMPを介したACTHのシグナルがAd4BPあるいはCRE結合タンパク質に伝達され、ふたつの転写因子の共同作業により転写の上昇がおこることを明らかにした。一方、アルタナティブスプライシングにより生じるAd4BP関連の転写因子であるELPはこれらの遺伝子に対して転写上昇作用を持たないことも示した。
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[Publications] S.Honda: "Novel Exon 1 of the Aromatase Gene Specific for Aromatase Transcripts in Human Brain" Biochemical and Biophysical Research Communications. 198. 1153-1160 (1994)
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[Publications] K.Morohashi: "Functional Difference between Ad4BP and ELP,and Their Distributions in Steroidogenic Tissues" Molecular Endocrinology. 8. 643-653 (1994)
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[Publications] K.Takayama: "Contribution of Ad4BP,a Steroidogenic Cell-Specific Transcription Factor,to Regulation of the Human CYP11A and Bovine CYP11B Genes through Their Distal Promoters" The Journal of Biochemistry. 116. 193-203 (1994)