1994 Fiscal Year Annual Research Report
プロトオンコジーンc-myc産物の分解と細胞周期の研究
Project/Area Number |
06780592
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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Keywords | c-myc / 寿命 / RCC1 / ODC |
Research Abstract |
1.c-myc産物c-MYCの分解とユビキチン分解系。ユビキチン化されたc-MYCは細胞内に検出されず、本研究ではc-MYC分解へのユビキチンの関与は示されなかった。 2.c-MYC安定性と細胞周期との関係。c-MYC強制発現細胞を用いた研究から、静止期よりも増殖期においてc-MYCの寿命が約倍にのびることを発見した。c-MYCは増殖期に機能していると考えられるので、c-MYCの機能発現と寿命との関係が考えられた。この点を明らかにするために、細胞周期の色々な時期でのc-MYCの機能発現と寿命とを比較することにした。 c-MYCの機能測定。c-MYCはCACGTG配列に結合して遺伝子の転写を促進する。c-MYCの機能発現を測定するために、CACGTG配列を持つレポーター遺伝子を作製したが、c-MYC特異的な転写活性は明確に測定できなかった。 c-MYCの標的遺伝子の探索。c-MYCにより発現調節される細胞内遺伝子の発現を幾つか調べc-MYCの機能発現時期を決定しようとした。しかし現在までに報告されている標的遺伝子は非常に少なく、まずc-MYC標的遺伝子を探すことが必要となった。CACGTG配列を持っている遺伝子を多数調べることにより、c-MYCがRCC1遺伝子の発現を促進することを見つけた。RCC1は現在非常に注目されている多機能な核タンパク質であり、その発現がc-MYCにより調節されることは注目すべき新しい発見である。またc-MYC標的遺伝子としてすでに報告のあったODCの発現がc-MYCにより促進されることも確認した。これらのことは本実験系がc-MYCの標的遺伝子を探すのに適していることを示している。今後この系を用いてc-MYCの新たな標的遺伝子の探索、及びRCC1、ODC発現の生理的意味の研究をおこない、c-MYCの作用を明らかにしていく予定である。
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