1994 Fiscal Year Annual Research Report
キョク皮動物卵細胞の初期発生過程におけるアネクシンVIの機能解析に関する研究
Project/Area Number |
06780618
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
細谷 夏実 大妻女子大学, 社会情報学部, 講師 (70212199)
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Keywords | アネクシンVI / 細胞骨格 / ヒトデ卵細胞 / HeLa細胞 |
Research Abstract |
アネクシンは、細胞膜にカルシウム依存的に結合して膜の凝集を促進する一連の蛋白質の総称である。最近、分子量68,000のアネクシンVIとアクチン繊維との相互作用が報告され(Hosoya et al.,Cell Motil.Cytoskel.,22:200-210,1992)、アネクシンと細胞骨格蛋白質との関連も注目されるようになってきた。我々は、キョク皮動物の卵細胞を実験材料として、アネクシンVIの細胞内での機能、特に細胞骨格蛋白質との相互関係を詳しく解明することを目的として研究を開始した。その結果は以下の通りである。 1.ヒト胎盤のアネクシンVIに対するモノクローナル抗体及び上記文献で用いたポリクローナル抗体を用いて、イトマキヒトデ及びキヒトデの粗抽出画分中にこれらの抗体と反応する分子量約70,000の蛋白質(70K成分)が存在することを明らかにした。これらの抗体との交叉性を指標に粗抽出画分からの70K成分の精製を試みたが、これらの抗体と70K成分との交叉性は弱く、最終的な精製にはいたらなかった。また、間接蛍光抗体法により、アネクシンVI抗体と反応する70K成分の卵細胞内での局在についても検討を行ったが、今のところ明確な結果は得られていない。現在、ヒトデ粗抽出画分中の70K成分から直接抗体を作製することを試みている。 2.キョク皮動物卵における実験と平行し、Hela細胞の粗抽出画分を材料に上述のポリクローナル抗体とを交叉する成分の検討を行った。その結果、分子量35,000の成分(35K成分)が存在することを明らかにし、さらに複数のカラムを用いて35K成分を精製することに成功した。現在、この35K成分について、アミノ酸配列及び機能の解析を行っている。
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