1994 Fiscal Year Annual Research Report
DNAワクチンによる呼吸器型コロナウイルス感染症に対する防御効果の検討
Project/Area Number |
06780702
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
国田 智 北里大学, 理学部, 助手 (10195472)
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Keywords | DNAワクチン / コロナウイルス |
Research Abstract |
マウス肝炎ウイルス(MHV)-A59株のウイルス内部蛋白(ヌクレオキャプシド;N蛋白)および外殻蛋白(スパイク;S蛋白)をコードする遺伝子をRT-PCR法により分離し,プラスミドベクターpUC19にクローニングした。クローニング化したNおよびS遺伝子を発現ベクターpcDNA3(P_<CMV>,SV40_<ori>,Neo)に挿入し,Cosl細胞をトランスフェクトしたところ,抗体によって特異的に検出される各MHV蛋白の発現が認められた。発現蛋白の分子量は,SDS-PAGE像の上では,nativeなウイルス蛋白とほぼ同一であった。同発現プラスミドを用い,いくつかのマウス由来MHV感染性株化細胞をトランスフェクトしたが,いずれのMHV蛋白の発現も認められなかった。同発現プラスミドをDNAワクチンとして用い,これを(1)DNAのみ,(2)DNAとCaCl_2,(3)リン酸カルシウム沈殿したDNAの3種類の形状でBALB/cマウスおよびC57BL/6マウスに3回筋肉内投与したが,どの系においてもMHV特異的抗体の産生および10LD_<50>のMHV-A59での経鼻感染に対する防御効果は見られなかった。現在,マウス細胞(特に筋肉あるいは粘膜)における発現に適したプロモーターを有する発現ベクターを検討中である。
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