1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06780723
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀 潤一 新潟大学, 工学部, 助手 (80209262)
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Keywords | 自然観測法 / 逆フィルタ / ぼけ画像 / 帯域制限付復元 |
Research Abstract |
本研究では,時変性信号を内部矛盾を含むことなくより自然に表現する方法として提案された自然観測法を2次元画像信号に拡張し,歪みの生じた観測画像から原画像を復元する問題を取り扱った.対象となる劣化画像は,点広がり関数(PSF)によって表わされるぼけ画像である. 1.2次元データへの拡張とパラメータ推定 2次元自然観測フイルタを構成するLPFおよびHPFは,バタ-ワ-ス型特性をもつFIRフイルタを2次元畳み込み積分することによって実現した.ステップ画像を参照波形とし,帯域制限された原画像と復元画像との平均2乗誤差を評価指標とすることによって,復元に最適なHPFの項数,時定数,および自然観測係数を決定した.特に,時定数を小さく設定することによって,画像の高周波雑音を抑制した帯域制限付復元を実現できた. 2.シミュレーション実験 画像復元のシミュレーション実験を,マッキントッシュ(LC575)上のMATLAB(既存)で実行した.人物画像を原画像とした場合,規格化カットオフ周波数0.04のHPF6項で復元した結果,相対誤差0.85%となり,他の条件に比べて良好な結果が得られた. 3.輪郭抽出の実現 有限項の自然観測システムでは,高周波成分が再現されないことに着目して,画像の輪郭抽出を行った.2項で係数を1に固定した自然観測システムによる再構成画像と原画像との差分をとり,2値化処理を行うことで,輪郭抽出を実現できた. 4.今後の展望 今後は,ぼけ画像のみでなく,ブレ画像や非定常性の劣化関数によって得られる画像の復元へと拡張を行い,自然観測法の有効性,特徴について議論する予定である.
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Research Products
(1 results)