1995 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア環境を利用した地方修験伝承の統合的研究
Project/Area Number |
06801005
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Research Institution | Komatsu College |
Principal Investigator |
由谷 裕哉 小松短期大学, 産業情報科, 助教授 (00192807)
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Keywords | 修験道 / マルチメディア / 画像圧縮 / データベース / 質的調査 |
Research Abstract |
当年度は、修験道に関係する祭礼などを8ミリ・ヴィデオカメラを携帯して調査し、そうしたいわゆるマルチメディア・データを、パソコンでどう処理できるかを主に検討した。ヴィデオ・データを画像圧縮し、パソコンで扱えるディジタル・データとする方式については、MS-Windows用のVideo for Windows、Macintosh用のQuick Time両者を試行した。こうしたデヴァイスを経てパソコン内に取り込んだ静止画・動画像から、どのように画像データベースを構築しうるかについても、MS-Windows、Macintosh量OS用の複数のデータベース・ソフトウエアで試行した。 上記の問題について、画像圧縮のためのデヴァイスについては、(現有機器の制約もあるが)今の所再現色や秒毎の映像駒数(fps)などの点でQuick Timeに一日の長があること、しかし両OSどちらにしても映像の音声のディジタル化にはまだ制約が多いこと、現存の汎用データベースで動画像の取り込みを行なう限り、祭礼のような連続したマルチメディア・データのうちの特定のある部分を検索するのは困難なこと、などの結果を得た。これらについて、1995年9月に日本社会学会(於:東京都立大学)で「宗教文化の調査のためのマルチメディア環境の構築」として口頭発表し、さらに、同年10月の日本民族学会(於:成城大学)で「社会調査における質的データ処理へのコンピュータ導入から見た民族調査」として、コンピュータと質的調査データとの関連についてより包括的に口頭発表した。このうち、主に前者の発表をもとに、「宗教文化の調査のためのマルチメディア環境の構築」なる論考を完成させ、『三田社会学』誌第1号(1996年春頃刊)に掲載される予定である。
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