1994 Fiscal Year Annual Research Report
新生児期の気質的特徴とアタッチメント形成との関連性に関する研究
Project/Area Number |
06801019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tsurumi Junior College |
Principal Investigator |
斉藤 晃 鶴見大学女子短期大学部, 保育科, 助教授 (10225691)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 裕 東邦大学, 医学部, 教授 (90197369)
|
Keywords | 新生児 / 気質 / ブラゼルトン新生児検査 |
Research Abstract |
平成7年2月末現在,ブラゼルトン検査(NBAS)の協力者数は32名である。その中で11名の典型例を抽出し,追跡調査を実施中である.NBASの協力者数が少ないことや,典型例に該当する児の母親全員からの強力が得られなかったことに起因して,予定よりも症例数が少数である. 32名のNBAS結果を7クラスター化(Lester,1984)して、以下の2点について分析を行ったところ次の結果が得られた. 1)分娩促進剤がNBAS結果に与える影響について 分娩促進剤の投与を受けた「促進群」の各クラスター値と,受けなかった「非促進群」の各クラスター値を比較したところ,有意差は見られなかった.分娩促進剤単独ではNBAS結果に影響を与えないといえよう. 2)生後3,8,28日間におけるNBAS結果の変化について 方位反応クラスター値と運動クラスター値において,生後3日目よりも28日目のクラスター値の方が有意に(P<.05)上昇した.これはMuret-Wagstaff and Moore(1989)の白人乳児の結果と一致した. また,ステイトの幅クラスター値は生後3日目よりも8日目の測定値の方が有意に低下し(P<.05),生後8日目よりも28日目の測定値の方が有意に低下した((P<.05).Muret-Wagstaff and Mooreの乳児は生後1カ月間でステイトの幅クラスターにおいて有意な変化を見せず,日本人乳児独特な特徴であるといえよう。Lesterのクラスタリング・システムは,児のぐずり,泣き,そしてステイト変動の回数がある程度あると,ステイトの幅クラスターに高い得点を与える。日本人乳児は加齢に伴ってぐずりと泣きの回数が減少するので,その結果としてステイトの幅クラスター値が低下したのである.
|