1995 Fiscal Year Annual Research Report
先端技術開発従事者のタイプA行動に関する社会学的研究
Project/Area Number |
06801022
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
西下 彰俊 金城学院大学, 文学部, 助教授 (80156067)
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Keywords | タイプA / 先端技術開発従事者 / ボットナースケール / 東海大式日常生活調査表 / A型傾向判別表 / SDS尺度 / 燃えつき尺度 |
Research Abstract |
茨城県つくば市には、通産省工業技術院の研究所が8カ所存在する。このうちの2つの研究所について、両研究所に所属するすべての研究員を対象に調査表による悉皆調査を実施した。両研究所併せて815名の研究員に調査の依頼を行い、最終的に373名の有効回答を得ることができた。回収率は、44%である。 先端技術開発従事者である研究員のタイプA行動の水準を測定するために、ボットナースケール、東海大式日常生活調査表、前田式A型傾向判別表の3スケールを、さらに研究員のストレスの水準を測定するために、SDS尺度、燃えつき尺度を調査表に組み込んだ。 それぞれの尺度の加算得点を被説明変数として、一元配置の分散分析を実施した結果、3つのタイプA行動尺度のうち2つ以上で有意な関連が見られたのは、「職業上の地位」「勤務時間」「ストレス感」「幸福感」の4変数であった。「職業上の地位」については、管理職研究員ほど、「勤務時間」については、勤務時間が長いほどタイプA行動傾向が強く見られた。また、「ストレス感」の場合は、ストレスが強いほどタイプA傾向であることが判明した。「幸福感」については、関連がリニアではなかった。つまり、幸福感が強いがあるいは逆に弱いほどタイプA傾向が強く、幸福感が人並であると回答している人ほどタイプA行動が弱い。SDS尺度、燃えつき尺度の両尺度については、ストレス感、幸福感、健康感が有意な関連性を持っていた。また、燃えつき傾向は、女性研究員ほど強いことが明らかになった。 重回帰分析の結果、3つのタイプA行動尺度のうち2つ以上で偏相関係数による有意な関係が見られたのは、「勤務時間」「自由時間」「家族生活ゆとり感」の3変数であった。すなわち、勤務時間が長いほど、自由時間が少ないほど、家族生活でのゆとり感がないほど、タイプA行動の傾向が高まることが判明した。
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