1994 Fiscal Year Annual Research Report
教科教育史像の再構築-技術教育と美術教育との関連問題より-
Project/Area Number |
06801027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
上里 正男 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 助教授 (80193788)
|
Keywords | 技術教育 / 手工教育 / スロイド手工 / フランス手工 / フランス語 |
Research Abstract |
わが国の手工教育の成立に関する研究は、教育政策・制度面からこれまでにかなり蓄積されているが、手工教育のモデルとなった欧米初等教育における技術教育の受容過程と、その形態に焦点をあわせた先行研究は皆無の現状であった。そこで、教育関係者による視察報告書と収集した文献、パリやロンドンの万国博覧会などでの教育情報の報告書、また文部省雑誌などに取捨選択され掲載された欧米の技術教育の情報などを調査することによって、どのような欧米の技術教育が手工教育のモデルとされようとしたのかを、まず整理し、その特徴を明らかにした、その際、史料の選択と史料批判では、手工教育の導入の実質的な責任者であった手島精一が欧米から持ち帰り、現在では国会図書館に保存されている未公開史料から分析を始めた。研究の結果、わが国の手工教育のモデルとなったのは、スロイド手工とフランス手工であった。スウェーデンのスロイド手工は、ベルギーのスロイド手工教育の調査報告書が参考にされた。その報告書はフランス語であり、フランス手工の参考書とともに、フランス語によるヨーロッパの手工教育の理論書であった。したがってフランス手工との比較研究が行なわれていたことが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)