1995 Fiscal Year Annual Research Report
アタカマイトに侵されたコインの保存処理方法の確立とその評価法
Project/Area Number |
06801048
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Research Institution | SHOWA WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武田 昭子 昭和女子大学, 文学部, 講師 (50124326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 正子 昭和女子大学, 生活科学部, 講師 (00119314)
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Keywords | ブロンズ病 / イスラムコイン / 保存処理 / 腐食生成物 / アタカマイト / 塩素 / 脱塩効果 / クリーニング法 |
Research Abstract |
クリーニング法の確立のため、薬剤の選択を行うための基礎実験を2種類行った。 1. 銅板を薬剤に浸漬し、減量実験をおこなった。キレート剤2種類、EDTA・3Naとグルコン酸系キレート剤・キレストGB(商品名)の5, 1, 0.5, 0.2%にそれぞれ各10枚づつ浸漬し、pHと導電率を順次計測し、7月と2月に計量を行い腐食度をみていった。また各計測時に、サンプルをとり、銅イオンの量も見ていった。 その結果は、EDTA・3NaがキレストGBの倍の腐食度を示し、キレストと比べるとかなり強力なクリーニング剤となる。EDTAは実験の範囲では濃度が高いほど、腐食度が高くなったが、キレストGBは1<0.5<0.2<5の順の腐食度を示した。 2. 現地で現状の腐食状況を8つのタイプに分け、それぞれから合計30点選んで錆の観察、脱塩効果、保存処理を平成6年の夏から行った。その結果は、表面に厚く濃緑、白緑色の錆で覆われたものが、ほとんどについて地金が残っていないし、高濃度の塩素が検出された。 1、2の実験と平成7年の夏期調査時までに行った合計1千点のコインの処理から、今後の処理方針を導き出し得た。これはキレート剤を用いた1方法で、今後さらなる処理方法の検討は言うまでもない。 またこれからのデータも含めて、今後処理し、本遺跡の出土コインの腐食生成物の特徴についても、より詳細に検討していきたい。
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