1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06804015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小川 泰 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10025364)
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Keywords | ロッド / 自己保持構造 / 結晶学 / 空間直線群の幾何学 / 捻れの幾何学 / ロッド系の対称性 / 複合材料 / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
自己保持系(ロッドどうしは相互保持)という概念を導入して,無限長平行円柱群が構成する構造を研究した.どの1本についても,単独には方位をかえられないということである.特に結晶学的研究が進んでいない[111]型6方向の周期構造について系統的に研究した.辺長1の立方体状単位格子を各方向とも√<2>長通過する場合については,解が丁度7種類あることを突き止めた.このうちの1種類のみが,複合材料研究者福多健二氏らが発見した解である.さらに,これらの解が最密と考えられていたのに対して,その2倍の充填率を持つ構造の存在を発見した。 対称性の観点からの議論を進めている.われわれは結晶学の専門家ではないので、空間群についての基礎知識に乏しい,しかしかえって既成の視点にとらわれない利点もある.既に身につけている問題意識の上に立って,準結晶をも含めたロッドの一般結晶学を構築したいと考えている. 2本のロッドの相互関係は,平行か捻れかのいずれかである.むしろ一般的ともいえる捻れの関係は直観的な把握が難しい.6方向ともなれば,構造の相違を端的に指摘することは極めて困難である.実際に組んだ構成物,数式表現,特徴をきわだたせた模型・・・などいろいろな工夫が必要になる.数式表現法の整備,説明用模型の製作など行った. 建築,複合材料のほか,廃棄物処理などへの応用の可能性もある.日本物理学会秋の分科会,国際シンポジウム「かたちの知・知のかたち」,形の科学会第32回シンポジウムで発表した.論文としては,FORMAに投稿すべく準備中である。
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