1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06804056
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (40199914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 依久子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50074638)
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Keywords | 分類体系 / 分類形質 / 葉緑体 / 葉緑体DNA / 核様体 / 珪藻 / Pinnularia / Nitzschia |
Research Abstract |
本年度の研究では、Pinnularia数種の葉緑体中に多数散在するDNA含有顆粒がタンパク質と複合体を作っている核様体であることを明らかにした。まず珪藻試料を大量に得るため培養の方法を検討した。その結果、20°C、L:D=14:10の条件下で、BBM寒天2相培地を用い500ccの三角フラスコにて静置培養すると、効率よく増殖させることができ、また細胞が付着しないため収穫をた易く行えることがわかった。Pinnularia nobilisおよびPinnularia viridiformisの細胞からの葉緑体単離は、珪藻の被殻の存在が作業の障害となるが、顕微鏡下で多数細胞を切断し、毛先で掻き出すことにより成功した。単離した葉緑体をNP-40で処理することにより、DNA含有顆粒を単離することができた。この顆粒はプロテアーゼ処理により溶解することから核様体であることが確証された。 また、Nitzschia sigmoideaにおいては、多数葉緑体中に散在する短冊形ピレノイド両側に線形に配置する核様体の分裂過程を観察した。葉緑体が分裂を開始すると核様体も分裂したが、この時の、各核様体の長さは1/2以下に収縮していることがわかった。しかし葉緑体分裂が終了するまでに分裂した核様体は、長さをほぼ回復した。本種は培養が未だ不可能なため、観察は野外から採集してきた個体を用いておこなった。このため観測例が数十と少ない。今後、分裂時の挙動をより詳細に解明するために、さらなる個体観察が必要と思われる。本種は帯面がシグモイドするというNitzschia属では風変わりな特徴を持つ。本年度研究では同様にシグモイドするNitzschia vermicularisと思われる種を採集することができたため、その葉緑体核様体の配置をDAPIで観察した。しかしながら、配置はN.sigmoideaとは異なり葉緑体周辺部に存在するリング型であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mayama S.and Shihira-Ishikawa I.: "Putative nncleo ds scattered in chboroplast of Pinnularia nobilis(Bacillariophyceae)" Jpn.J.Phycol.42. 437-441 (1994)
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[Publications] Ohsu T. and Shihira-Ishikawa I.: "Distribulion and migration of mitochondria in centric diatom Pleurosin laevis(Ehrenberg) Compere" Diatom. 11(in press). (1995)
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[Publications] 真山なぎさ,真山茂樹: "顕微鏡下の操作におけるまつ毛の代用品" Diatom. 11(in press). (1995)