1994 Fiscal Year Annual Research Report
200kV高分解能電子顕微鏡によるベロブスカイト型酸化物中の酸素欠損の観察
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06805002
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
芝原 寛泰 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (60144408)
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Keywords | 高分解能電子顕微鏡 / 酸素欠損 / ペロブスカイト型酸化物 / 画像解析 / 欠陥構造 |
Research Abstract |
1.研究計画の当初予定通り、電子顕微鏡における画像データのコンピュータへの取り込み、及び必要なソフトウェアの開発を行った。また、マルチスライス法にもとづくコンピュータシュミレーションとの連携も可能になり、酵素欠損の最適結像条件下における観察システムをほぼ感性させた。 2.上記のシステムの動作チェックを行うため、平成7年度に一度予定していた、実際の試料の観察、及び解析に適用した。また、学外においてイメージングプレートによる画像データの取り込みを試み、今後の定量的な像解釈における問題点を把握することが出来た。具体的にはLaMnO_<3-x>の組成をもつ酵素欠損型ペロブスカイト化合物について実験を行い、その結果は物理学会、電子顕微鏡学会にて口頭発表を行った。特に、最適観察条件の加速電圧(200/300kV)による違い、膜厚依存性、欠陥位置による違い、などについて定量的像解釈に必要な知見を得ることができた。 3.開発した解析システムの応用例として、酵素欠損は含んでいないが、ハイドロキシアパタイト結晶の構造解析を行った。研究結果として発表した例として記す。 4.今後の展開として、電子回析理論にもとづく解釈をおこない、さらに酸化物高温超伝導体をはじめとした一般的なペロブスカイト酸化物に適用して、物性との関連で酵素欠損の直接観察の重要性について検討する。
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