1995 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃波管を利用した流体の相変化現象に関する分子流体力学的研究
Project/Area Number |
06805018
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
藤川 重雄 富山県立大学, 工学部, 助教授 (70111937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 充弘 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10229578)
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Keywords | 分子流体力学 / 分子動力学 / 衝撃波 / 蒸気 / 相変化 / 凝縮 / 蒸発 / 凝縮係数 |
Research Abstract |
流体の相変化現象を分子レベルで解明することを目的として,蒸気の凝縮速度から凝縮係数を決定する新しい実験技術を開発した.主な結果をまとめると以下のようになる. 1.理論解析 衝撃波管の低圧管管端面で,蒸気中を伝ぱする衝撃波が反射した際に,管端面上に形成される液膜の成長過程を摂動法により理論解析して,液膜の成長を記述する方程式を導いた.また,液膜の成長に関する遷移現象の存在を理論的に証明し,そのメカニズムを明らかにするとともに,遷移時間を定量的に求めた.その結果,凝縮係数の決定は遷移時間程度の時間領域で行わなければならないことを明らかにした. この理論研究により,衝撃波管による凝縮係数の決定方法に対する理論的根拠を与えた. 2.衝撃波管による実験は分子動力学シミュレーション 強い水素結合を有する会合性液体の一つであるメタノールの蒸気を試料気体として,衝撃波管を用いた凝縮係数の測定に関する実験および分子動力学法によるシミュレーションを行い,以下のことを明らかにした. (1)上記1で理論的に明らかにした液膜成長の遷移現象を実験的に検証した. (2)凝縮係数は気液界面での蒸気の熱的非平衡度に強く依存しており,例えば,蒸気が過飽和状態にあるときには小さく,過熱状態にあるときには大きくなる.また,飽和状態では凝縮係数の値は0.3〜0.4である.飽和状態での凝縮係数のこの値は分子動力学シミュレーションによる計算値とほぼ一致している (3)気液界面での蒸気温度を測定する光学的方法の原理,理論を構築し,メタノール蒸気を用いいて予備実験を行った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Fujikawa,M.Kotani H.Sato: "Molecular Study on Phase Transition Phenomena of Fluid" Thermal Science and Engineering. Vol.3. 45-50 (1995)
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[Publications] 藤川重雄・小谷正直 高杉信秀: "衝撃波の反射領域・衝撃波管管端面での蒸気の膜状凝縮理論(続報,凝縮係数決定の理論的根拠)" 日本機械学会論文集(B). 第62捲(掲載予定). (1996)