1995 Fiscal Year Annual Research Report
自動車運転中のねむけ度に対する開眼状態の相関分析とその個人差に関する研究
Project/Area Number |
06805035
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中村 孝文 静岡大学, 大学院電子科学研究科, 助手 (70144061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
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Keywords | 覚醒レベル / 自動車運転 / モニタリング / 脳波 / 心電図 / 開瞼度 / 眼球運動 / 瞬目 |
Research Abstract |
1.はじめに 覚醒レベルと開眼状態や脳波等の生理的パラメータとの関係を定量的に明らかにするため、これまで開眼状態について開瞼度、眼球運動量、瞬目回数を指標に解析を進めてきた。今回、脳波のパワー特性や心電図を解析し、眠気度や開眼状態との関係について検討した。 2.実験方法 自動車運転を模擬したビデオ映像を被検者(健常成人7名)に見せ、脳波(O_Z-C_Z、C_3-C_Z)、心電図、開眼状態を記録した。記録は1セッションを15〜20分とし、5〜10分の休憩を挟んで4セッションについて深夜に行った。主観的な眠気度の指標として、Kwansei Gakuin Sleepiness Scale(KSS)値を記録した。脳波をFFT解析して(64Hz、256点)、δ、θ、α、β各帯域について1分毎の%パワーの平均値を求め、更にその値を基に各セッションにおける平均値を求めた。心電図は1分毎の心拍数とそのばらつきを調べた。15EA03:3.結果と考察 脳波については、%αはKSSが増すにつれて値が増加し(p<0.05)、増加の程度もKSSが増すほど強まった。%δはKSSが4.5以上で減少する傾向がみられた(p<0.1)。%βはKSSの増加とともに減少の傾向がみられたが、有意な差までには至らなかった。%θは有意な変化はみられなかった。心電図のR-R間隔とそのばらつきの程度は、KSSが増すにつれて増加した(p<0.05)。開瞼度、眼球運動量はともにKSSが増すと減少したが、眼球運動量が直線的に減少するのに対し、開瞼度はKSSが4.5以上から減少傾向が強まった。以上の結果から、脳波については、%αが眠気度をよく反映する指標である事が明らかとなった。またKSSが4.5以上の場合、開瞼度の減少が強まったが、このとき脳波では%αの更なる増加、%βの減少が見られた事から、脳波及び心電図の特性変化と開眼状態との間に相関関係が示唆された。
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[Publications] 中村孝文: "覚醒レベルに対する開瞼、瞬目、眼球運動、各特性の解析" 医用電子と生体工学(第34回日本ME学会大会論文集). 33. 301 (1995)
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[Publications] 中村孝文: "ねむけ度に対する脳波、心電図の特性及び開眼状態との関係について" 第25回日本脳波・筋電図学会学術大会予稿集. 196 (1995)
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[Publications] 中村孝文: "覚醒度の変化に対する脳波パワーの特性解析及び開眼状態との相関について" 第21回日本睡眠学会学術集会. (発表予定). (1996)