1994 Fiscal Year Annual Research Report
水素代謝型独立栄養脱窒菌による水道原水からの生物学的硝酸塩除去
Project/Area Number |
06805046
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
古米 弘明 茨城大学, 工学部, 助教授 (40173546)
|
Keywords | 水道原水前処理 / 生物学的脱窒 / 生物ろ過 / キノンプロファイル / ポピュレーションダイナミクス / 独立栄養菌 / 硫黄脱窒 / 動力学解析 |
Research Abstract |
1.水素利用および硫黄脱窒菌の集積と菌体内キノン組成分析および増殖特性 水素利用脱窒菌については、集積培養を得ているものの純粋培養を得るには至っていない。しかしながら、同様に独立栄養性である硫黄脱窒菌については、集積培養による増殖動力学の解析や硝酸塩除去速度の定量を従属栄養脱窒菌との比較の観点から進めている。菌体内キノン組成分析(HPLC分析)については、硫黄脱窒菌と従属栄養性であるエタノール培養の脱窒菌との比較を行い、両者のプロファイルに明らかな違い(特に、メナキノンの存在比とユビキノン組成の違い)があることを確認した。したがって、独立栄養脱窒菌と従属栄養脱窒菌の混合培養系におけるポピュレーションダイナミクスの解析に適用と思われる。 2.生物ろ過塔への植種と予備運転 既存の硫黄脱窒菌単独および従属栄養脱窒菌単独によるの硝酸塩除去用アクリル樹脂製ろ過塔(2基)に加えて、アクリル樹脂製ろ過塔を1基増設し、前述の2種類の脱窒菌が共存する系の連続運転を行い、処理特性や生物膜付着状況の評価を進めた。硫黄脱窒菌単独では、蓄積傾向が見られた亜硝酸塩の従属栄養脱窒菌の共存で解消されるとともに、従属栄養脱窒菌単独では問題があったろ過閉塞もなく、共存させた処理系が非常に効率よく運転されることが明らかとなった。なお、水素代謝脱窒菌については集積が不十分で、生物ろ過膜の形成には至っていない。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 尾林 寿、古米弘明: "硫黄脱窒作用による硝酸性窒素の除去特性" 第45回全国水道研究発表会講演集. 236-237 (1994)
-
[Publications] 古米弘明、尾林 寿: "硫黄脱窒による水道原水の生物ろ過処理プロセス" 土木学会第49回年次学術講演概要集 IIB部門. 996-997 (1994)
-
[Publications] 尾林 寿、古米弘明: "硫黄脱窒菌を利用した硝酸塩除去プロセスへの有機物添加の効果" 土木学会第49回年次学術講演概要集 IIB部門. 994-995 (1994)
-
[Publications] 古米弘明、尾林 寿: "硫黄脱窒を利用した生物ろ過プロセスの立ち上げ過程におけるエタノール添加の効果" 第46回全国水道研究発表会講演集. (未定). (1995)