1994 Fiscal Year Annual Research Report
正20面体リン化ホウ素セラミックスの高温熱電材料としての研究
Project/Area Number |
06805061
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
熊代 幸伸 横浜国立大学, 工学部, 教授 (20215023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆 横浜国立大学, 工学部, 教務職員 (80240216)
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Keywords | 正20面体リン化ホウ素 / 熱拡散率 / 熱伝導率 / 熱電性能指数 |
Research Abstract |
我々が半導体化に成功したバルクのB_<12>P_2の熱電材料としての評価を行なうために,従来のレーザフラッシュ法に代わるリング状レーザフラッシュ法により,熱拡散率を測定し,熱伝導率から,熱電性能指数を算定し,熱電材料への応用の足掛りとした。以下にその実績報告を示す. (1)電子技術総合研究所よりレーザフラッシュ装置を保転し,従来のレーザフラッシュ法として使用できるように整備したさらにウェハ-のような薄い試料についてリング状レーザフラッシュ法により,熱拡散率が測定できるように,装置の改造を行なった.まず従来のレーザフラッシュ法で厚さ2mm,直径10mmのNiの比熱および熱拡散率の温度依存性を測定した.その結果キューリ-温度を確認し,文献値とよい一致がみられ,装置の校正を行った.つぎに0.3mmのNiの熱拡散率をリング状レーザフラッシュ法によって測定した.そのために側温部を3mmとしリング内径と外径を変化させて,最適条件下でレーザフラッシュ法の値とほぼよい一致を示すことを確認した. (2)厚さ0.3mm,7.5×7.5mm^2の正20面体リン化ホウ素の熱拡散率をリング状フラッシュ法で,最適条件下で測定した.比熱はレーザフラッシュ法で測定した値を用いて,熱拡散率を求めると,室温で0.03W/cm・Kであった。温度を上昇させてもほぼ一定で,粒界によるフォノンの散乱が大きいことがわかった.せんい構造に近いウエハ-ではこれより1けた大きいことがわかった. (3)熱電材料としての評価を行なうために,抵抗率と熱電能の温度依存性のデータと合わせると,性能指数は〜10^<-4>/Kとなり,高温熱電材料としてすぐれていることを見出した.
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