1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06805066
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳満 和人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20180143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井野 博満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20029466)
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Keywords | メカニカルアロイング / 金属酸化物 / 還元反応 |
Research Abstract |
メカニカルアロイング法を用いて、常温・常圧下における金属酸化物の還元実験を行った。これは個体金属酸化物と個体還元剤をボールミルすることによって、非平衡熱力学的な反応を強制的に誘導するものである。実験では、(1)銀酸化物(Ag_2O,Ag_2O_2)、(2)銅酸化物(Cu_2O,CuO)、(3)亜鉛酸化物(ZnO)、(4)鉄酸化物(FeO,Fe_3O_4,Fe_2O_3)の4系について実施した。還元剤には炭素を用いた。(1)と(2)は成功であり、工業化も可能である。(3)と(4)では、試料の前処理が重要なことが指摘された。 反応装置:SPEX振動ミルを使用した。反応器はジルコニアで試作した(内容積60cc)。メディアは、接触点効果を高めるため小径(5φ)のボールを使用した。 実験(1)(Ag系):第1、第2銀酸化物ともに、約20分から30分という短時間で、かつ後期における瞬間的な反応が実現された。10ミクロンレベルの粒子が得られた。 実験(2)(Cu系):銀酸化物に比較して、100時間から200時間という長時間が必要であった。反応の進行は、緩慢な連続反応であった。 実験(3)(Zn系):原料ZnOは水を吸着し易いので、前処理が必要である。前処理後に、過剰の炭素源による反応によって、緩慢な反応が進行する。 実験(4)(Fe系):ヘマタイト(Fe_2O_3)からマグネタイト(Fe_3O_4)までの反応は実現されたが、それ以降反応は事実上停止した。その原因は、粒子の固着によって投入エネルギーが緩和されたためと評価された。実験(3)と同様、試料の前処理が重要なことが指摘された。
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Research Products
(2 results)