1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子ふるい能を有するゼオライト膜の創製と浸透気化分離への応用
Project/Area Number |
06805069
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
喜多 英敏 山口大学, 工学部, 助教授 (10177826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一宏 山口大学, 工学部, 助手 (30188289)
岡本 健一 山口大学, 工学部, 教授 (20029218)
|
Keywords | 膜分離 / 無機膜 / ゼオライト膜 / 浸透気化分離 / パ-ベ-パレーション / 水熱合成法 / メンブレンリアクター / 分子ふるい |
Research Abstract |
より優れた耐久性、耐熱性が期待される膜素材としての無機膜を浸透気化分離へ適用する目的で、分子ふるい能を有するゼオライトに着目し、水熱合成法によりゼオライト膜を創製し、その浸透気化性能を明かにすると共に、インブレンリアクターとしての可能性を検討した結果、本年度は、以下に述べる成果を得た。 1.ケイ酸ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウム/水酸化アルミニウム混合液とを室温で混合後、円筒状のガラス容器に仕込み、表面に種結晶を仕込んだ管状の多孔質アルミナ支持体を浸漬してA型ゼオライト膜を合成する際の製膜条件を確立した。さらにY型、P型およびZSM-5型ゼオライト膜の製膜にも成功した。 2.A型ゼオライト膜の表面および断面構造を走査型電子顕微鏡で観察した結果、膜は支持体上にA型ゼオライトが膜厚約30μmで析出した構造であること、さらにBET吸着法で解析した結果、膜の細孔半径は1nm以下であることが明かとなった。引続きY型、P型、ZSM-5型について検討し、浸透気化分離における透過機構について考察する。 3.ゼオライト膜の浸透気化分離実験を行った結果、水-エタノール、水-メタノール、水-有機物(DMF、ジオキサン、アセトン)系で、特にA型ゼオライト膜が優れた分離性能を有することが明かとなった。引続き、有機液体混合物系での分離性能について検討する。 4.A型ゼオライト膜を用いた浸透気化分離を伴う、オレイン酸とメタノールおよびエタノールとのエステル化反応においてエステル化反応の高効率化が達成できた。さらに反応の転化率の経時変化を測定し、各操作因子の転化率及び反応時間への影響を調べ、最適操作条件(供給原料組成、反応温度と時間、膜面積、膜の分離性能)を明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 堀井,康司: "ゼオライト膜による蒸気透過法分離(II)" 化学光学会第27回秋季大会講演要旨集. 1. 48 (1994)
-
[Publications] 井上,勉: "Y型ゼオライト膜の作製と透過物性" 化学工学会第60年会講演要旨集. (発表予定). N105 (1995)
-
[Publications] 貝原,正洋: "A型,およびZSM-5ゼオライト膜の気体透過性" 化学工学会第60年会講演要旨集. (発表予定). N106 (1995)
-
[Publications] 山本,益司: "オレイン酸のエステル化反応への蒸気透過法分離の適用" 膜(Membrane). (印刷中). (1995)
-
[Publications] 喜多,英敏: "Sythesis of a zeolite NaA membrane for pervaporation of water/organic liquid mixtures" J.Materials Science Letters. (印刷中). (1995)
-
[Publications] 喜多,英敏: "Pervaporation of water/organic liquis mixtures using a zeolite NaA membrane" Proc.7th Int.Conf.on Pervaporation Precesses. (印刷中). (1995)