1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06805072
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野水 勉 名古屋大学, 工学部, 講師 (50175527)
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Keywords | 磁気クロマトグラフィー / 磁性粒子 / 高透磁率充填材 / マグネタイト / ヘマタイト |
Research Abstract |
高透磁率材料を充填して分離カラムとし、カラムを取りまく電磁コイルを用いて磁場を周期的に印加・解放することによって、液体中の磁気的特性の異なる粒子を分離する磁気クロマトグラフィーの開発を試み、マグネタイト粒子の流出時間が、コイル電流、磁場印加時間、カラム長さなどの各種のパラメータによって変動することが確かめられた。 充填材には、マルテンサイト系炭素鋼ビーズ(直径約0.7mm)およびステンレス鋼SUS- 430のビーズ(直径約0.5mm)を用い、これに熱硬化性テフロンのコーティング(7回塗布及び250℃焼付)を施した。これを内径2.4mmのテフロンチューブに詰め、通常10cmのカラムを調整した。1mm経エナメル線によって10cm幅、1500巻の電磁コイルを作成し、その中心部にカラムを通し、直流電源を1周期ごとに反転させながら磁場の印加・解放を繰り返した。また、磁性粒子の充填材からの脱着を促進するため、回転数可変のバイブレーターによりカラムに常時振動を加えた。移動相は95%エタノールを使用し、試料の磁性粒子には20nm経のマグネタイト(Fe_3O_4)と0.2μm経のヘマタイト(α-Fe_2O_3)を用い、検出はフレーム原子吸光分析装置により鉄の吸光度を測定することによって行った。 周期的磁場を印加した場合のマグネタイト粒子の流出の遅れ時間は、磁場の解放時間T_<off>対する印加時間T_<on>の割合(T_<on>/T_<off>)が大きくなるにつれて増加し、T_<off>=0.2、0.3、0.4秒の条件でほぼ同様な結果が得られた。また、コイル電流を高めるとともに遅れ時間は増加した。一方、電磁コイル幅を一定にしたまま、分離カラムの長さを変化させた場合、コイル幅と同じ10cmの時が、分離が最も効果的であった。コイル電流は最大5Aまで流されたが、ヘマタイト粒子の流出は磁場によって全く影響を受けなかった。
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