1994 Fiscal Year Annual Research Report
ポリインターカレーター担持HPLC用充填剤を用いた核酸の精密分離に関する研究
Project/Area Number |
06805074
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
数田 恭章 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (90233733)
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Keywords | HPLC充填剤 / ポリインターカレーター / DNA分離 |
Research Abstract |
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による核酸の分離・分析は,ゲル電気泳動法に比べその迅速性や分離されたサンプルの回収操作の容易性から有用である.しかしながら天然DNA断片を効果的に分離することのできるHPLC充填剤は,これまでに開発されていない.本研究は,これまでの分離モードとは全く異なる新しいクロマトグラフィーを開発し,これによる天然核酸の精密分離を達成するものである.距離d離れたビスインターカレーターが長さDのDNAに結合する際,d>DならばDNAはビスインターカレートされるであろうし,d<Dならばモノインターカレートしか起こりえない.これら二種のインターカレートは大きく安定性が異なるので,本ビスインターカレーターをHPLC充填剤に用いることによりdより長いDNAと短いDNAを分離できることになる.本年度はリジッドなスペーサーを有するビスインターカレーターの合成を行い,均一系でのDNA長の識別能について検討した.まず,ビスインターカレーターを合成し,均一溶液中でのDNA断片の長さによる認識能を調べた.合成した化合物は分子モデリングによりd=26Åと考えることができる.これは二重らせん8塩基分に相当するので,10merと6merとではその結合能は大きく異なると期待される.自己相補的化学合成オリゴヌクレオチド10merと6merを合成し,DNA融解温度(Tm)に対する本化合物の添加の効果について調べた.その結果これらの2つの間にはTmの安定能に差が見られた.また塩の添加によってこれらの安定性は減少することも明かとなった.
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